賞味期限は3〜5年
松山で働きだして4年が経過しました。
最近改めて感じるのは、
「2〜3年は使えるような素材を作ってくれ」
みたいなCMのオリエンをよく受ける、ということです。
改訂もせずに3年!
ときには5年・・・なんてこともあります。
広告制作を純粋にビジネスとして捉えるなら、
なんとも広がりのない仕事・・・となります。
作り手の立場からいっても、
いい関係を築いて面白い広告を一緒に・・・
みたいな野望を抱きにくいのは正直寂しいです。
企業の賞味期限偽装問題は、
今や悲しい定番になってしまった感がありますが、
いっそCMにも賞味期限を設定して欲しいもんです。
とはいえ、地方のご多分に漏れず、
お世辞にも制作費があるとはいえない松山です。
クライアントにとっては、
まさに清水の舞台から飛び降りる覚悟での
オリエンかもしれません。
最近では、逆に時代に左右されないような
普遍的なアイデアを考えてやる!
みたいに悪あがきするようにしていますが・・・。
なんて書きながら、ふと思いました。
そんな状況下で仕事をしていて、
「これからもずっと使い続けたい」
なんてクライアントに言ってもらえた仕事を
自分はしたことがあるだろうか、と。
・・・ちょっと考えてみました。
2年前にTCC新人賞をいただいた
村田葬儀社さんのコピーが
かろうじてそれに当たるかなぁ・・・という感じです。
90周年がきっかけで書いたコピーなのですが、
愛媛新聞お悔やみ欄の横にある小枠に
365日掲載されています。あとホームページにも。
長めのコピーなので小枠には窮屈なのですが、
どうしても使いたいと社長が言って下さったおかげで、
お悔やみ欄の横で4年も生きながらえています。
コピーライターとして幸せなことだと改めて感じます。
コピーライターになって早いもので7年目。
きっかけは、就活中に見た、
「おじいちゃんにも、セックスを。」
という宝島社の広告でした。
この前、久しぶりに年鑑で見ましたが、
いやー、今見てもイイっすね!
アグレッシブな高齢者が当たり前のように増えたら
このコピーもいつか当たり前になるのかもしれませんが、
就活中に見たときの衝撃は今でも覚えています。
広告は時代を映す鏡だなんてよく言われるけど、
たとえ時代が変わっても、
強いメッセージ(だった)として残り続ける、
そんな意味での普遍的な広告を1つでも作れたら・・・
なんて思う今日この頃です。