リレーコラムについて

求む!社会に役立つコミュニケーション

白土謙二

20世紀における広告とその制作者の役割は、主に
資本主義を円滑にまわし、経済を拡大・成長させることでした。
それは、結果として
大量調達→大量生産→大量流通→大量広告→大量販売→大量廃棄
というモデルを促進することにつながりました。

この、無限に成長するなんてことは「できないんだぞ」
ということを、私たちに教えてくれたのが、
「成長の限界」や「不都合な真実」というレポートや映画でした。

そこで、21世紀のポスト資本主義社会において
広告に求められる新たな役割は、
適切な調達→適切な生産→適切な流通→適切な広告→適切な販売→適切な再生
というサステナブルなモデルの、開発や実現を支援することになりつつあります。

本来、コミュニケーションやデザインの機能は、ニュートラルなはずですから、
モノを買っていただくことだけでなく、買わずに大切にしていただくことだって、
アピールできるはずですよね。

日本国内の自動車市場では、
これほど多くの広告費と制作者のエネルギーをつぎ込みながら、
この10年で、20代の若者の新車購入経験率が、
3分の1に下がっていると言われています。
その背景には、ニート化による収入減、パラサイト化による親との共用や、
都心回帰という現象だけでなく、
未来の環境の危機に対する若者のセンサーが働き始めているように思うのです。

そう遠くない時期に、20世紀的な発想のビジネスや広告づくりが、
大きく問い直されることになると思います。

みなさん、そのための準備はよろしいですか。

NO
年月日
名前
5719 2024.07.12 吉兼啓介 短くても大丈夫
5718 2024.07.11 吉兼啓介 オールド・シネマ・パラダイス
5717 2024.07.10 吉兼啓介 チーウン・タイシー
5716 2024.07.09 吉兼啓介 吉兼睦子は静かに暮らしたい
5715 2024.07.08 吉兼啓介 いや、キャビンだよ!
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