電車の中
数年前、休日、上りの田園都市線。
いやに空いている車両があり、
僕はそこに、いそいそと乗ってしまいました。
座ると、前には高校生らしき男の子。 なぜか、彼の両サイドは、
誰も座っていません。 その理由は、その後すぐわかることとなる。
電車が動き出すと、彼は持っていたバッグを電車の床に
叩きつけました!すごい音!
こわっ!と同時にびっくり! その後も狂ったように
何度も何度もバッグを床に。
顔を合わせたらヤバイと思いましたが、へたに動いてもヤバイ。
他の乗客も同じような感じで、シーンとしたまま。
次の駅ですぐ降りました。他の人たちもぞろぞろと。
その車両には、バッグを叩きつけた少年だけ。
何も知らない次のお客さんたちは、楽しそうに、ぞろぞろと。
あの車両、どうなったのでしょうか?
少年はなんかのストレス解消だったのでしょうか?
去年12月頃、会社の後輩とふたり、大江戸線。
空いていたので僕たちは、優先席に座っていました。
(それがいけなかったのか?)
すると、隣の頑固そうな60くらいのじじいが、
(もちろん、じじいは座っている)
前に立っていた若いOL、どこから見ても僕より若い!
に話かけているのです。
「足、痛くないか?しんどくないか?足、痛いでしょ?」
最初は意味がわかりませんでした。
でも、ちらちらと僕のほうを向いて言うので、
わかりました。
僕らに、立て!というようなことを遠まわしに言っているのです。
ムカー! カチン! と同時になんとも嫌な気分。
立っているOLも、相当迷惑そうな表情になっている。
もちろん立つわけもなく無視していましたが、そのじじい、
ずっと、「足、痛いだろう?」みたいなことを言い続けている。
その後すぐ降りたので、これ以上なにもなかったのですが、
後味はかなり悪い。 優先席に座った天罰? とか
考えましたが、お年寄りがいたわけでもなく、
回りくどくて嫌味な、じじいへの怒りだけが残りました。
いまだに、優先席を見ると思い出すし、
その醜い事件はちょっとしたトラウマになった。
さっきのバッグ叩きつけ少年には何の恨みもないけど、
このじじいだけは、ちょっと許せん!
忘れるためにも、この話はもうここで封印します。
この冬、田園都市線。 これは、友人に聞いた話。
彼は、その電車の中で、ゲームをしていたらしい。
彼は35才くらい、背も高い、もう十分おとな。
すると、ちかくの酔っ払いのおっさんがブツブツと。
「最近の若いもんは、電車でそんなもんして・・・・」
的な発言。これまた、ちょっと遠まわしに非難するような感じ。
彼は無視してやり続けていたそうです。
彼が降り際にちょっと睨むと、そのおっさんが彼に声をかけた!
「がんばってね。俺もがんばるから!」と態度が急変。
なんだ、かわいいおっさんじゃないか!
これは、さっきと違って微笑ましい結末。
電車の中は、一触即発かつドラマチック。