リレーコラムについて

Good times, Bad times

橋口幸生

「ショーシャンクの空に」や「グリーン・マイル」など
これまでもスティーブン・キング原作の映画を手がけている
フランク・ダラボン監督が、みたびキング原作を映画化した
「ミスト」という作品があります。

ちょっと前まで公開していたのでご覧になった方も
多いかと思いますが、これが実に素晴らしい映画でした。
具体的なストーリーはネタバレになってしまうので、
ここでは語りません。商業映画として
ありえないとしか言いようがない衝撃のラストは、
ぜひ、みなさん自身の目で確かめてください。

「ミスト」は、簡単にまとめると、
冷静に、常識的に、合理的に行動することが、
最悪の結果を招いてしまう・・・という映画です。

つまり、神ならぬ人間の考えや行動には、
どこまでいっても限界がある・・・というテーマを、
この映画は突きつけているのだと思います。

たしかに環境問題だって、何も僕たち人間が
地球をイジメたわけではありません。
豊かになりたい、便利になりたいという、
ごくごくあたり前な願いをカタチにした結果、
環境破壊を引き起こしてしまったのです。

競争や格差といった言葉が流行る
今の世の中には、個人の能力が
人生のすべてを左右するかのような雰囲気があります。
でも、実際、僕ら自身ががんばってできることというのは、
そんなに多くないのかもしれません。

じゃあ、何が人生を決めるのか・・・というと、

「運」

というのが、相当デカい要素ではないかと思うのです。

ミもフタもない結論ですが、
歴史をふりかえってみても、
自分の実力だけで成功した人というのは、
ほとんどいないように思います。

たとえば、織田信長と今川義元の桶狭間の戦い。
油断して守備を怠っていた今川義元が、
数に劣る信長に奇襲されて負けた、というイメージがあります。
しかし最近の研究では、戦いの直前になって
ほとんど前が見えなくなるような激しい雨が降り、
今川軍の守備にスキができたため、
いきあたりばったりに戦いをしかけた信長が勝てた・・・
という説が有力になっているんだそうです。

では、僕らが夢をかなえるために何をすればいいのか?
それは結局、幸運がめぐってきた時に、
確実にモノにするということしか、ないのだと思います。

広告の世界にも、チャンスのある仕事というのは、
正直あります。そんな仕事がめぐってきたとき、
絶対にいい広告をカタチにできるよう、
普段から(船木と柴田じゃないけど)刀を研いでおくことが、
大事なんだと思います。

余談になりますが、
僕の奥さんはなにかと運のいい人で、
クジとかで「はずれ」をひいているところを、
ほとんど見たことがありません。
年賀状も当たりは彼女宛のハガキばかり。
ビックカメラの10万円無料キャンペーンに、
同じ日に2回当選したこともあります。

彼女の強運が、今後、
僕の運気も上昇させてくれることを、
願うばかりです。

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