リレーコラムについて

2回、育てられた

野澤幸司

パラドックス・クリエイティブには、
誰かの下について修行、みたいな文化がありません。

コピーをチェックするCDも案件によってバラバラなので、
特定の誰かにガッツリ教えてもらえるわけでもありません。
マネしたくなっちゃうので、年鑑を写経することもありません。

そんな環境の中、あるお客さんが
僕のコピーライターとしての師匠になりました。

その企業は育児用品を扱うメーカーなのですが、
そこに、30年以上も赤ちゃんや妊婦さんについて
研究してきたおじさんがいます。

そのおじさんは、偶然にも僕の父親と同い年なのですが、
「人は2本足で歩くようになったから出産がつらい」
「出産後ってダイエットのチャンスなんだよ」
「ブラジャーは、乳首を守るためのモノだ」
などなど、話す内容がいちいち奥深いんです。
その後、何回かにわたって行ったインタビューでも、
納得と共感の連続でした。

そして、そんな話を聞いているうちに
「何かおもしろいことを言ってやろう!」
みたいな、自分のエゴな発想は消えて、
「おじさんの考えをどうにか伝えねば!」
となっていきました。

僕はこの企業に、コピーライターとして
賞よりも大事なモノをもらったと思っています。
文字通り、育児メーカーに育てられました。

その後、親から聞いてわかったことなのですが
僕は昔、そのメーカーの哺乳瓶で育てられていたみたいです。
知らない間に、2回も育ててもらってたんですね。

コピーライターらしく、いつかコピーで
お返しができるよう精進します。

4日間、つたないコラムに
お付き合いいただきありがとうございました。
なんだかまとまりのない内容で心配ですが、
書いてみていろいろと勉強になりました。

さて、来週は新人賞の同期である
リクルートメディアコミュニケーションズの
林くんにバトンを渡すことにしました。

僕と林くんは地元が奇跡的に近く、
ここ最近はその話題でいつも盛り上がっています。

それでは林君、よろしくお願いします。

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NO
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