最期のコトバ
田尾新治
5年前に母を亡くしました。
ありがたいことだと思いますが
最期のときに立ち会うことができました。
僕が病室に着いたときにはもう意識混濁で、
家族や親しい親戚が集まっていました。
誰かが母にむかって「がんばれ!」と声をかけていました。
闘病が長かったものですから
僕にはそれは言えませんでした。
まったく無意識に「大丈夫!怖くないから!」と耳元で僕は叫びました。
すると、閉じていた右目に
ひと粒涙をためてそのまま息をひきとりました。
なぜそんなコトバを言ったのか今でもよくわかりません。
「ありがとう」を、最期のコトバにしたかった。
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