思ったこと。思うこと。
先日、打ち合わせ中に方言の話になりました。
今日は、その時に思い出した方言の話をします。
僕が生まれ育ったのは熊本の田舎です。
「ばってん」とか「よかよか」とか、全国的にも
認知されている方言はもちろん、
ちいさな町単位でしか使わないような局地的な方言とかも、
中学生くらいまでには、これは方言だと
認知できていたと思っていました。
ところが、僕の中にかなりの年齢になるまで、
これは標準語だと疑わなかった方言があったのです。
方言だと気づいたときは、びっくりしました。
その言葉は、小学校の教室の戸に、必ず貼ってありました。
朝礼の時には、「◯◯は、ちゃんとしましょう!」と
先生が胸を張って言ってました。
それは、「あとぜき」という言葉です。
意味は、「あと」というのは後始末の「あと」で、
「ぜき」というのは戸を閉めるの方言である「せく(せき)」。
つまり「あとぜき」とは、「開けた戸は、閉める」ということ。
この言葉を方言と認識できなかった理由は、
今考えるといくつかあります。
まず、小学校の先生が使っていたこと。
それから、言葉の体が、方言ぽく感じられなかった。
そして、なぜか分からないが、この言葉を
ある時から使わなかった。だから、指摘されなかった。
で、結局、大学生の頃だったと思うのですが、
何年も使ってなかったその言葉が
とっさに出たのを指摘されて、
初めて方言と気づいたことを思い出しました。
方言って指摘されると、けっこう恥ずかしかったりするのですが、
この時は、本当にびっくりしたのを覚えています。
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