オヤジDJへの道 その4
永見浩之
コピーとか、広告とまったく関係ないような
DJ話がまだ続くんですけど、待ってください。
やってみてわかったんですけど、
DJの選曲って、企画と無関係じゃないというか
いや、案外、企画作るのと近いというか
根っこが似てるかも。
例えば、今回は、「ハッピー」というコンセプトで回すぞ、と決める。
で、そのコンセプトがしっかり伝わるように
聞いてて、幸福感で満たされるような曲を
古今東西、世の中に存在する膨大な曲の中から
「ハッピー」というキーワードで頭の中を検索し、
何十曲かピックアップする。
それらの曲を、気持ちよく流れていくように、
BPMを合わせ一連のフローを考える。
1曲目でいきなりオーディエンスの心をつかんだり
そこから徐々に盛り上げたり
途中に裏切るようにクールダウンする曲を入れたり、
といった起承転結も大事です。
それは、曲という「言葉」を操りながら
「ハッピー」というコンセプトがしっかりテイクアウトされるように
ボディコピーを書いたり、
CMという時間軸を作っていく感じに近いんですよ。
一曲でも、変な曲が混じるだけで
全体の印象がぼやけたり、ぶれた感じになっちゃう。
いわゆる競合は、他のDJ。
彼らとの差別化も重要です。
あのDJは、ちょっとモンドやカルトで来るから、
あえてメジャーな路線で攻めてみようか、とか。
ありますよね、
競合はきっとニッチなギャグ企画で来るだろう、
こっちはあえて
ビッグタレントで、メジャー感のある広告にしよう、みたいな。
だから、選曲は、ほんと練りますよ。
僕は、電車の中で手帳に曲名を書き連ね
それを何度も何度も書き換えます。
ひとつのイベントで消せるボールペンつぶしますからね。
で、本番は、いわばプレゼンテーションです。
すらっと並んだオーディエンスは、「さあどんな企画聞かせてくれるんだい?」
と腕組んだりしてて、ホントにクライアントのようです。
30分のプレイの中にコンセプトを込めて、流暢に、説得力のあるプレイで
彼らをうまくのせて、踊らせれば勝利です。
ほら、広告の世界と無関係じゃない感じしてきたでしょ?
実際、僕の周りのDJはみんな始めたばっかりの素人DJなんですが
みんな広告業界なんで、すぐうまくなります。
続く。
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