リレーコラムについて

キムです。

キムソクウォン

こんにちは。「豆しば」の作者のキムソクウォンです。
なぜ、「豆しば」の作者といちいち名乗るかというと、
弟子の道明寺が合コンで、女の子たちに
「豆しばは俺が作ってんだぜ」と吹聴するからです。
これを、この業界では「これオレ詐欺」というらしいです。

おかげ様で、今日、無事に絵本の入稿が終わりました。
「豆しば グリーンピーしばとアラバマの隕石」
主婦と生活社さんから4月16日発売でございます。
もしよかったら、立ち読みしてください。

話は変わりまして、本日は
「一攫千金を狙え!キャラクター講座」
を行いたいと思います。

僕は「豆しば」を作るに当たり、
キャラクターを研究しまくりました。

そして、研究しまくって出た結論が、
「キャラクターって本当にいっぱいいるのね」でした。

世はさながらキャラクター戦国時代。
そして、ゆるキャラ全盛期。

キャラクター(Character)を英和辞書で引くと
個性、性格、特徴とあります。

まさに、これに尽きると思うのです。

有象無象のキャラクターたちの中から、
いかに、他と違う個性、性格、特徴をつけるか。
つまるとこ、オリジナリティがないと、キャラクターじゃない。

僕はキャラクターには大きく4つの重要な要素があると思います。
それは外見・性格・世界観・露出です。

○外見で特徴的づける。

キャラクターなんて吐いて捨てるほどある中、
これは本当に難しいです。
特に人気のあるクマ、パンダ、イヌ、ネコなどは超激戦です。
カピパラとかアルパカとかは他にないので、
それだけでオンリーワンを狙えますが、
結局のところ、みんなこんな顔 ・ω・ ですしねぇ。
でも、やっぱり人は ・ω・ に惹かれるんですよ。
なんでですかねぇ。
幼児期の刷り込みもあるんじゃないでしょうか。

僕は特に「かわいさ」にはこだわりました。
だって、「かわいい」は最強のコミュニケーションだから。

老若男女だれにでも母性本能というものがあると思うのですが、
かわいいと無条件に受け入れてしまうんですよね。
かわいいものを前に、人は無防備になります。
それどころか、向こうから手を伸ばしてきてくれます。
コミュニケーションにとって、
これほど最強の武器はないと思います。

そのためにも、丸っこくて、
ちょっと手を貸してあげたくなる感じが
ちょうどいいと思います。

○性格や声で特徴づける。

キャラクターなんて吐いて捨てるほどある中、
僕はここが一番の生命線だと感じています。
だって、デザインだけだと、どうしてもなにかに似てくるし、
なんか薄っぺらいんですよね。
まぁ、2次元ですから、当然といっちゃ、当然ですが。

声や性格が加わることにより、
キャラクターとして、より生きたものになりますし、
より個性的になります。
顔はかわいいのに、おっさんみたいな声だとか、
その上、性格はツンデレとか。

すいません、ただの僕の趣味です。

どんなしゃべり方で、どんなものが好きで、
いつもどんなことをしているのか。

一番、特徴と差別化が出しやすいところがここだと思います。

僕は豆しばには、かわいい顔して、
ブラックな「豆知識」という
ほどよい腹黒さを武器に持たせました。

○世界観で特徴づける。

キャラクターなんて吐いて捨てるほどある中、
世界観は一番作者のエゴが出る部分で、
一番大事な部分だと思います。
だって、すべてはあなたが作りだす世界ですから。
そして、その世界観は統一性を持っていなければならないと思います。

僕はエゴがないキャラクターは、
フラットな分、誰からも嫌われないかもしれませんが、
誰からも強く好かれることはないと思うのです。

とにかく、僕にはかっこいいものは作れないので、
かわいくて、くだらな過ぎてあきれちゃうくらいのものを
作りたかったです。それが一番、僕が得意とするところだし、
一番、僕が好きなことだから。

そして、子供のためのキャラクターだからといって、
子供じみたデザインにはしない。子供じみたコンテンツにしない。
だって、子供は背伸びはするけど、下にかがむことはないですから。
小学生が幼稚園児のデザインに手を伸ばすことはないと思うのですよ。

だって、子供はいつだって背伸びがしたいものじゃないですか。

でも、逆にあまりにも大人っぽすぎると振り向いてもらえないので、
かわいくて、ポップで、シンプルで、和テイストで、
でも、ちょぴり大人なシュールを目指しました。

○露出で特徴づける。

ここはかなり重要です。認知されてこそキャラクターですから。
どんなに素晴らしいキャラクターでも、露出されないと、
認知されないと意味ないですからね。

昨今、メディアパワーは落ちていると言われますが、
テレビの力はやっぱりすごいです。
だって、視聴率1%でも、40万人以上がそれを見てるんですから。

だから、普通、キャラクターは
ブレークするのに5年くらいかかるのですが、
豆しばは初年度からかなり認知されました。
要は使いようなんだと思います。
今の時代、ネット抜きではコミュニケーションを
組立てられないですからね。

どうメディアパワーをフルに使えるコンテンツを作れるか。
メディアに合わせたキャラクターの作り方があると思います。

豆しばの場合、30秒のCM枠だったので、
30秒と言う、短い時間の中で、
とにかく名前と特徴を覚えてもらうか、
どれだけインパクトを残せるかに命をかけました。
豆の犬で、豆しばで、豆知識。そして、シュール。

これだけ伝われば、あとは興味をもった人が、
ネットで情報を拾ってもらえるだろうと。

そして、変なものを見せられたら、
ブログやSNSで取り上げてくれて、
広がっていくかなぁと。

豆しばの場合、仕組みが目新しかったのも
ひとつの大きな特徴となりました。

以上、駆け足で、僕の夏休みの自由研究レポートをお送りしました。
これで、あなたも、明日からキャラクターが作れるはずです。

あとは皆様のセンスしだいですかね。
広告で培った時代を切り取るセンス、
現在をつかむセンスで、誰にも作れない
あなたにしか作れないオンリーワンの
キャラクターを作ってください!!

あーだこーだと言ってきましたが、でも、やっぱり詰まるところ
一番大事なのは、一番作りたいものを作ることだと思います。
だって、愛情がないと、キャラクターじゃないし、大きく育たないもの。

キャラクターには、著作権のほかに、著作人格権というのがあります。
だってキャラクターは自分の分身であり、子供であり、人格を持った生き物ですから。

僕と渡部祥子は「豆しば」を作るにあたり、
子供が見て、喜んでほしい。
豆しばを見たら、お母さんや、次の日、学校で友達に言ってほしい。
そこに少しでもコミュニケーションが生まれて、
みんなが少しだけハッピーになってほしい。
という願いを込めて作りました。

どれだけ、その願いが叶っているかはわからないのですが、
こんなことができるなんて、
「広告」もまだまだ捨てたもんじゃないですよね。

まだまだ細かく語りたいことはたくさんあるのですが、
もう疲れたので、今日は寝ます。おやすみなさい。

あ、一番重要なことを言い忘れてました。
もし、本気で一攫千金を狙うなら、個人でやることです。

えっ、お前が偉そうに語るな?きもい?

以上、弟子の道明寺に書けと言われたことを書きました。
本当はこんなこと書きたくなかったんですけどね…。

道明寺の詳しい情報はこちら。
http://ameblo.jp/kimnabe/entry-10469151689.html

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