リレーコラムについて

トビウオと水族館

山口慶子

博覧会のテーマ館のコンセプト作りの依頼を受け、
企画と総合演出のお仕事をしたことがあります。

夢と交流をテーマにして欲しいという主催者側の意向を受け、
お話を受けたその日にトビウオが星の海に仲間たちを探しに
いくという10分の短いストーリーを作り、キャラクターと
映像にして、当時世界初の大きさのプロジェクターと
特許もいただいたルミライトビジョンという技術を組み込んだ
体験空間を作り上げました。

その映像は、アメリカのSIGGRAPHで選考上映されました。
その後何年かしてから「ファインディング・ニモ」が公開されました。
以前つくったものとそっくりな場面もあり、ちょっと嬉しくなりました。

プロジェクト開発部という部署をやっていたとき、
部に水族館のお仕事が来ました。
水族館そのものをデザインして設計するというお仕事でした。

コンセプトから考えて、専門の設計をするスタッフとともに
「お魚の家をつくる」という基本を踏まえながら、お魚たちにも
お客さんにも楽しい空間を生み出していきます。

でも、私は、全く泳げません。
なのに、泳ぐ生き物の家をつくり、泳ぐ生き物のお話をつくっている
という不思議な巡り合わせ。
大阪府立北野高校のプールは、50メートルもあり本当に溺れました。

そんな恐怖を思い出しながら、魚の気持ちになるのは難しいものが
ありましたが、なんとかなるものです。力になってくれる
人たちはたくさんいて、一人では何にもできないことや、
チームで作ることの達成感は、想像を超える楽しさがあるなあと実感
する日々でした。

そんな中、牡蠣の名産地で牡蠣が食べられないと告白して、みんなから
非難を浴びながら制作を続けていた、私は間抜けな
クリエーティブディレクターでもありました。

今度は、砂漠に水族館を作ってみたいと思います。
えっ?無理?・・・ですよね。

NO
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