蓋

「脳トレ」という言葉があります。

何年か前に、脳を鍛えるためのゲームソフトが出て、
爆発的にこの言葉が流行した気がします。
いまもまだなお、新しいゲームや本が出ています。
「脳トレ」という言葉は火付け役としての役目を終えたとはいえ、
それにまつわる商業&消費活動は勢いを増すばかり。
人って脳を鍛えることに、こんなにも飢えていたんですね。

数字や数式を使った計算系脳トレや
四字熟語、歴史など知識系脳トレが多い中、
ふと、想像系脳トレみたいなものってないなぁと思ってました。
で、小学校のころ漢字にはまった時期がありまして、
その頃の漢字遊びは、想像系脳トレになるのかなぁと思い。
今日はその漢字遊びに、「漢字脳トレ」という名前をつけて紹介します。

【漢字脳トレ】

漢字を見たら、その由来を考える。想像する。
ただそれだけの脳トレです。
とてもシンプルなので、
ゲーム機や本を買わずとも脳を鍛えることができます。

正解はありません。
もしかすると、「漢字の由来」的な本が出ているかもしれないですが、
それはあまり重要じゃないです。
自分の脳ミソを使って、勝手に漢字の由来として理屈をつける。
その過程が想像系脳トレになるのです。

まず、簡単なところから始めると、「林」と「森」。

木がたくさんあるから、林。
もっと木があると、森。

このへんは小学校の国語の授業で習います。
簡単で誰でもわかるけど、やはりシンプルで面白い。

次に「外」「内」「材」「食」「吸」あたりを想像してみましょう。

「外」は、「夕」日と「人」が一緒にいれる状態だから、「外」?
「内」は、「人」が屋根のあるところにいるから「内」?
「木」をちゃんと切って、「才」能がある状態にしたものが「材」?
「人」を「良」くするから、「食」べるってことじゃない?
「吸」は、ものを「口」まで「及」ばせるために、「吸」う?

別に、これらが正解じゃなくてもいいんです。
勝手に由来を想像する。自分の中でなにがしかの納得感がある。
そこが重要です。
ちなみに、それぞれの漢字にはレベルがあります。
内は、レベル4。
食は、レベル9。
まぁ、画数です。
それでいうと、森はレベル12になるんですけど、弱いです。
そういう難易度の序列矛盾は多々生じます。

とはいえ一般的には、やっぱりレベルの高い漢字のほうが難しい。

たとえば、レベル16の「糖」。

「米」のおにぎりを作って
遣「唐」使の犬上御田鍬は中国に向かったが、
いざ中国ついてそれを食べようと思ったら、
長旅のせいか、おにぎりから危険な匂いがして、
一度は捨てようと思ったけど、
すごくお腹空いてたから食べたら、
米が醗酵してて、なんか甘くて、「糖」?

うーん。苦しいですね。
なかなかすんなり倒せない。
さすがはレベル16です。
でもこの想像をしている間、着実に脳トレされています。

「糖」でちょっと気持ち悪さが残った方は、
次の漢字で気持ち良くなってください。

レベル13の「蓋」。

「皿」の上に放置されたものには、「去」りゆく運命が待っている。
でも、それに「くさかんむり」をかぶせることで、それを守れるから、「蓋」。

あぁ!最高に気持ちいい!!

ネガティブアプローチながら、ちゃんとフタの意味を伝えているこの漢字に、
ものすごく奥ゆかしさを感じます。
(間違っているかもしれないけど、いいんです。)

おそらく、この「蓋」の想像が気持ちよく感じるかどうかで、
漢字脳トレに向いてるかどうかが判断できます。
気持ちよく感じた方は、
是非ひまつぶしに、そのへんに溢れている漢字を見ながら、
漢字脳トレしてみてください。

最後に、これは漢字脳トレとは全く関係ないですが、
プロのレゲエダンサーに、
「オンナマタヂカラ」という女性2人組チームがいます。
「努」という漢字のパーツパーツを訓読みして、
「オンナマタヂカラ」。
YouTubeとかで検索したら、たくさん出てきます。
レゲエダンスには、けっこう際どいパフォーマンスもあり、
3点倒立して股を開いて足をバイブレーションさせる振り付けなどがあります。
まさに「オンナマタヂカラ」です。
ダンスのスキルは相当高いです。
が、あまりオフィスなどでは見ない方がいいかもしれません。
あと、脳トレにはならないかと思います。