すみませんが、大貫です。
うちの会社の名刺のいちばん下には、
「ISO14001 ISO27001認証取得」と書いてあります。
この1行、なくていいです。
必要性を実感したことがありません。
代わりに、僕の名刺に入れてほしい1行があります。
あの大貫さんと血縁関係はございません。
名前のつぎに大きな字で!と思うほど、
この業界だとよく尋ねられます。
「あの大貫さんとご関係はありますか?」と。
もしおなじ血が流れていれば、
僕ももっと話題になりそうな広告を
ちょっとは考えついたのかもしれません。
が、残念ながら、そのようなつながりはなく…。
別に「関係はありません」と答えればいいだけの話。
相手の方もいちおう聞いているだけ。
それはわかっているのですが、
その質問をされると、心にさざ波が起こります。
そもそも「大貫」という姓の人間は、
大人になるまでに同姓への免疫ができません。
僕の場合、近所や学校・塾のクラス、大学のゼミやサークルに、
別の大貫さんがいた経験は一度もありません。
この世には、別の大貫さんもいる。
それくらいの姓であることはわかっています。
ただ、生活の中で彼らを意識したことがないのです。
同姓への免疫がないと、同姓の存在に敏感になります。
ご関係は?と聞かれ、その存在をつきつけられる。
しかも、その方がかなりの大物であられる。
「大貫」は、この事態に動じないでいられるほど強くありません。
広告業界にもう一人いてはいけない特別な姓を、
自分は名乗ってしまっている。
罪悪感を味わうとまではいかなくとも、
そんなふうにちょっと委縮した気持ちになるのです。
よくある姓ではないが、ものすごく珍しい姓でもない。
そういう姓の人が置かれうるこの境遇を、
名刺に注釈をいれられるわけもなく
起こってしまうさざ波の存在を、
少し知っておいていただけるとうれしいです。
ちなみに、仕事の打ち合わせをしていると、
「大貫さんがつくった広告で…」といった類の発言がたまに出ます。
僕のいる場所で、僕ではない大貫さんの名前を耳にする。
それだけで、さざ波は発生します。
2742 | 2010.06.12 | 最後に、大貫冬樹です。 |
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2739 | 2010.06.09 | こんばんは、冬樹です。 |
2738 | 2010.06.08 | すみませんが、大貫です。 |
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