こんばんは、冬樹です。
直樹。秀樹。玉樹。茂樹。裕樹。冬樹。
うちの家族は、親戚も含めて、男だと名前に「樹」がつきます。
僕も、父も、叔父も、従兄も。
正月や誰かの結婚式にみんなでテーブルを囲んだりすると、
そこは樹だらけで一種の森です。
あと「小鳥」という名前の姉がいて、
「滝子」なんていう名前の叔母がいれば、
さらにエコな一家になれたのにな…と思ったりします。
僕の名前をつけたのは父です。
「樹」は決まっていて、父はその上に「冬」をつけました。
冬に生まれたからではありません。
誕生日は3月なので、微妙なところですが春生まれです。
名前の由来を知ったのは、小学1年のときでした。
家で聞いてくるように、宿題を出されたのがきっかけです。
冬の樹木のように、
寒い冬をじっと耐えられる人になってほしい。
それが僕の名前の由来だと、母は教えてくれました。
幼かったのであまり深くは考えなかったのですが、
子供心にうまく言葉にできない、妙な感覚がありました。
学校でみんなの由来を聞いて、その感覚はさらに強まりました。
今なら言葉にできるのですが、子供の名前に込められる想いって、
ふつうはみんなポジティブなのです。
希望にあふれた人生を送ってほしいから、望ちゃん。
太陽のようにみんなを明るくする人であってほしいから、陽介くん。
僕の場合は、何なんでしょうか。
おまえがこれから進む人生は厳しいんだ、
人生は耐え続けなきゃいけないんだ、と言われているようなもの。
そんな人生の本質を、生まれて1日か2日しか経ってない子に、
いきなりつきつけなくても良かったんじゃないでしょうか。
当時の父に、何かあったんでしょうか。
上司に理不尽なことを言われて、会社なんて辞めたくなって、
でも子供も生まれたし辞められねーなぁ
と思った日に、僕の名前をつけたんでしょうか。
ずっと気になりながら、父にこの話をしたことはありませんでした。
これを機に聞いてみようと思いましたが、
父は今札幌に行っているそうです。
いちおう仕事はあるものの、ほとんど遊びみたいです。
今ごろウニとか毛蟹とか、うまいものを食べてるんでしょうね。
息子は、昼にパン1個しか食べられなかったまま、
自分の名前の不条理に気をもみながら、
早くリレーコラムを書き上げて、
明日までの企画をしなければと必死なのに。
あ、ほら、食べ物の話をしたので、ちょうどお腹が鳴りました。
空腹をじっと耐えています。冬樹という名前なんで。
2742 | 2010.06.12 | 最後に、大貫冬樹です。 |
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