なぜか東京2
さて、昨日の続きでして。
「東京って、どうして愛されないんだろう」
それはやっぱり、東京に住んでる人が
あんまり東京のことを愛してないってのが問題じゃないかと。
いや、正しくは「愛していると言いづらい」のが
最大の問題なんじゃないかと思うんです。
よく仕事なんかでも「ご出身どちらですか?」的な
会話になることってあるじゃないですか。
それで「東京です」って答えると、
これが十中八九そこで会話が切れてしまうというか。
ぜんぜん盛り上がる方向に行かないわけですよ。
比べたところで仕方ないんですけれども
たとえば大阪出身の人がいたら
「やっぱ街中でバキューンっていわれたら撃たれたフリするの?」とか
「こんどお好み焼きのおいしいとこ教えてくださいよ」みたいにね。
なんか会話が続いていくんですけどね。
たまに地方ロケに行って地元の飲み屋さんっていうかね、
そういうところで「どちらから?」って訊かれて
「東京」って答えても「すごいですね」ぐらいしか返ってこなくて。
「ガキの頃から渋谷センター街うろうろしてた」からって
なんにも「すごい」なんてことないんですけどね。
まあ、その一帯を仕切ってたとかなら「すごい」んでしょうけどね。
そういう「すごい人」は東京じゃなくてもいますからね。
そんじゃ逆に、東京出身だって自慢したいときに
なにか誇れるものはあるんだっけ…と自問自答してみると
これがまた難しいんですよ。捻りだすのが。
人口が1200万人いようとスカイツリーが634mだろうと
それって自分の自慢として語る話じゃないんだよなあと。
東京人って江戸時代の昔からプライドは高くて
「なんでも一番でアタリマエ」なんて思っちゃいるけれど
実は「一番」ってこと以外に大して自慢できるものはなくて。
それでも「一番でアタリマエ」って思ってるから
そこ自慢しちゃいけねえよ、的な気質があるんですよね。
こういう「暗黙の了解」「言わぬが華」みたいな雰囲気が
もともと東京にあるもんだから、それが「空気読め」みたいな
無言の圧力を日本中にふりまいてしまった原因の
ひとつなのかなと考えたりもします。
空気ばっかり読んでたら、突出したモノゴトなんかできないんですけどね。
それが「広告に元気がない」っていわれることの
理由のひとつになってないかなと。
自分ゴトを棚に上げる東京人らしく、そんなふうに心配したりもして。
がんばらないとね。東京コピーライターズクラブ会員としてもね。