箱根駅伝と企業広告
ちょっと遅いですが、
あけましておめでとうございます。
橋口さんからバトンをいただきました
大前匡史(おおまえまさし)です。
今年、1月2日、3日の箱根駅伝で流した広告の
制作に携わらせて頂きました。
「走ることについて語ること」
村上春樹さん×是枝裕和さん×仲間由紀恵さん×明星さん
http://www.sapporobeer.jp/kanpaispecial/index.html
という強力なタッグです。
まだ見ていないという方は、1月までの限定公開ですので
是非みてください。
出来上がったCMをみて思いました。
作家さんが書くナレーションって
コピーライターが書くナレーションとちょっと違うんだな。と
とても肉体的というんでしょうか。右脳に響く感じがしています。
そのCMで伝えるべきテーマだけに着目し、深く掘り下げている
からでしょうか。
そこには、走ることの本質が描かれています。
僕も一昨年からランニングを始めて、一度だけですが
フルマラソンも走ったことがあるので、そのナレーションが
すんなりと共感できます。
この箱根駅伝という強いコンテンツの中で、企業CMを見て頂く
ことは難しいと思います。
あえて静かに、走ることの本質だけを淡々と素直に描くことで、
その思いが、視聴者の方に伝わったと思っています。
ここでCMにはとりあげられなかったのですが、
このナレーションの元になっている村上春樹さんの
小説「走ることについて語るときに僕の語ること」
から、とてもよい視点をもらったのでご紹介します。
CMの番外編です。
・・僕は走りながら、ただ走っている。
僕は原則的には、空白の中を走っている。
逆の言い方をすれば、空白を獲得するために走っている、
ということかもしれない。・・・
一日の空白がほしい。なにも考えなくていい空白の時間がほしい。
たぶん、それはみんな無意識にやっていることではないでしょうか。
仕事から帰って無性に音楽が聞きたくなったり、
昔とっていたお笑いのビデオをみて爆笑したり、
コピーをずっと書いているとどうしてもテニスしたくなったり、
それは実は、そのことがしたいのと同時に空白の時間を獲得しよう
としているのかもと思いました。
その空白の時間で、仕事や様々なストレスで離れていく自分を
取り戻しているのでしょうか。
だから重要なんですね、ダラダラする時間も(笑)
とりあえず、このコラムを書いていて、走りたいなと思いました(笑)
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