湯けむりの向こう側
小学生の頃、友達どうしで
銭湯に行くのが流行りました。
ハダカのつき合いというか、
互いの成長を確かめ合うというか、
絆を深めるための遊びだったのでしょうか。
その日は3人で銭湯に行きました。
湯につかって、頭と身体を洗い、
一通りの行程を終えたあと、
湯船のフチに3人並んで座り、
湯に足を入れてボーッとしていました。
目線の先には、洗い場があります。
湯けむりの向こう、
鏡の前で、こちらに背中を向け、
一人の老人が仁王立ちしていました。
老人の両脚の間から、
立派なモノの後ろ姿が覗いています。
それを見た友人が、つぶやきました。
「でかい」と。
それはもう、地へ向かって伸びる、
新種の生物のような。
3人しばらく、眺めていたと思います。
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ふと、友人がつぶやきました。
「ようすけ、 あれ、 ウンコじゃねえ?」
そう言った瞬間、モノは床に落下しました。
老人は、仁王立ちしたままでした。
帰り道、僕らの口数は少なかったです。
ココロの傷は、ケロリンでは治りません。
◆
一週間、ほぼウンコの話ですみませんでした。
唐突ですが、明日は妹の結婚式です。
絵美ちゃんおめでとう!
ウンコの話ばかりする兄でゴメンね。
ちなみに、結婚を両親に報告するときのセリフ
「お嫁にいっても、お父さんは、ずっと私のお父さんだよ。」
という言葉は、ナイスコピーだと思いました。
ここに書いておけば誰かが何かの広告で
使ってくれるかもしれません。
◆
さて、来週のリレーコラムは、
博報堂の野澤幸司くんが書いてくれます。
宣伝会議「梅本クラス」の同期です。
昔、パラドックス・クリエイティブの
入社試験を受けようと僕が誘ったら、
野澤くんだけ受かりました。そんなステキな男です。
野澤くんよろしくお願いします!