リレーコラムについて

アイデアライター

生駒健太

コピーライターって何する人?
という質問に対しての答えは
10年前と今とでは違っています。

そして、その変化の中に、
アウトサイダーコピーライターにとっての
チャンスが生まれていると感じています。

僕は今、
博報堂からTBWA HAKUHODOという会社に出向しています。
ここは、外資の文化が半分入っていて
いろいろ仕事の進め方のスタイルが日本の代理店とは違います。
そのなかで、大きな違いといえるのは
コピーライター×アートディレクターでコンビを組んで
コミュニケーションの全てをつくるということです。

CMやグラフィックだけでなく、
WEBやイベントやアプリなどほんとに全てに関わります。

つまり、コピーライターの役割は、コミュニケーションのすべてのコアになるアイデアを生み出すこと。
人の心を動かし、人の行動を生み出す、そのためのアイデアを媒体問わず発想できるひと。
それがコピーライターなんだという考え方です。
コピーライターというよりはアイデアライターと言ったほうがしっくりきます。

そんな環境は、アウトサイダーな僕にとって、とても仕事がしやすい。
なぜなら、いいアイデアを思いついたら媒体の枠にしばられずにチャンスが訪れるからです。
CMやグラフィック以外に出口をたくさんもっているほうが
いいアイデアに辿りつける可能性は高まります。

たとえば、そんなスタイルから生まれる広告にはどのようなものがあるのか。
僕の好きな海外の広告で言うと以下のような事例があります。
これらもコピーライターのアイデアから生まれたものです。
動画のリンクもつけておきますのでぜひ見てください。

COCACOLA HILLTOP

コーラの広告。
世界中の人にコーラをおごることができる自動販売機を開発し、
open happiness というブランドメッセージを体験化した。

MAGIC SALADA PLATE

ミートパイを売る会社の広告。
マッチョな男に見られすぎると女性にもてないから、
野菜を食べているかのように見える紙皿を開発して販売した。

ZUJI BEANS

旅行会社の広告。
旅行にいくための節約をしてもらうために、
その国の主食である豆の缶詰を激安価格で売りだした。

彼らのつくっているものは、自動販売機だったり、皿だったり、豆缶だったり。
こんな広告を見るたびに、ポスターやCM以外のアウトプットで、
こんなにも人をドキドキさせることができるんだ。
紙やTVから自由になるコピーライターの生き方もあるんだと気づかされます。

「マス広告」と「それ以外の広告」の比重がクライアントの中でも変化し始めています。
「とにかく話題になるためなら、手段は選ばない。」
「マスを使う予算はないけど、数千万でなにかメモリアルなことを。」
というオーダーも増えてきました。
クライアントの課題に応じて、柔軟にアイデアとアウトプットを生み出すことが求められています。

発想の出発点と、人を巻き込むダイナミズムで勝負する。
これもアウトサイダーコピーライターの一つの戦い方なのではないかと思います。

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