リレーコラムについて

コピーは変わったかな。

児島令子

2日にわたって、私自身の、
コピーライティングを取り巻く状況の変化について書きましたが、
さて、肝心のコピーそのものはどうなんでしょう。

日々、デジタルノートを埋めつつ、空中戦をこなし、
世の中にアウトプットされたコピーたち。

う~ん。大きなところでは変わってないと思います。
え?大きなところってどこって?
それはたぶんですね、「私が私であるということ」かな。
そりゃ大き過ぎるだろって?ですよね。

うまく言えないのですが、大きなところとは、
「変えようとしても変わらないとこ」だと思います。
ひとりの人間が、ものを考える、ものを表現する芯のような部分。

それ以外はもう、変わりたいですね。変えたいですね。
ほんの小さなことでもいいから、何か変えていきたい。
そう思って仕事をしています。そうカンタンじゃないですが。

私はクラフトワーク(Kraftwerk )が好きなんですね。
1970年結成の、テクノ・ゴッドと称されるドイツの電子音楽グループ。
リーダーのラルフ・ヒュッターは現在67才で、現役ばりばり。
去年は日本で、3Dライブをやってくれて私も参戦しました!

クラフトワークは何十年も前の自分たちの神な楽曲を、映像を、
常に常に、時代とともにアップデートしつづけてるんです。バキバキに。
クラフトワークは、オリジネーターでイノベーターなんです。

「オリジネーターでイノベーター」
ああ、なんてかっこいい生き方でしょう。

私もコピーライターとしてそんな風に生きれれば。
与えられた仕事に対してオリジナルをひねり出せるよう精進したい。
で、そのオリジナルを日々イノベーションしていきたい。
日々アップデートしていきたい。いまという時代の中で。
そうやってこの仕事をつづけていれば、終わりはない。
幸福な永久機関のように。。。。。

いけない、いけない。
クラフトワークを持ち出したせいで熱くなってしまいました。  

昔の私は、オリジネーターであることだけにこだわっていました。
でも、そのオリジナルをさらに変革させていってこそ、
この仕事の醍醐味はあるんじゃないかといま思ってます。
そしてそこには、
それでも残る「芯」があるってことではないかと。

う〜む。いま、天の声がしました。
けっこうな話だけど、もっとこれを読んでる若いみんなに
すぐ役立つことを書けないのかと。
新人賞を目指す人へのアドバイスとか。

了解。ひとつだけ書きます。
コピーの共感について。(どう?いい感じ?)

今年の新人賞に「共感コピーを何本か選んで出そうと思ってる」
という人がいたら、その考え方をやめましょう。
なぜか?簡潔に書きますね。

まず、世の中に、共感コピーというジャンルはありません。
        ↓
人はコピーに共感はするが、共感コピーに共感してるのではない。
        ↓
人がコピーに共感するのは、
そこに気づきがあったり、そこに発見があったり、
そこにメッセージがあったり、そこに小気味よい言い切りがあったり、
そこにタイムリーや時代性があったり、
その他ひっかかるものがあるからです。
        ↓
すなわち、共感はあくまでも結果であって、目的にすべきじゃない。
        ↓
(コピーの見分け方。)
自分が共感コピーだと思って書いたコピーの中に、
上記の要素がどれか内包されているかチェックしてください。
        ↓
そしてそれらはすべてオリジナルなものですか?
既視感のあるものではないですか?
        ↓
クリアできていればOK。

審査員の考えは人それぞれですが、
少なくとも私はこのような視点で審査をしようと思っています。
健闘を祈ります。

NO
年月日
名前
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