コピーは勉強するものだった。少なくとも、私にとっては。
2013年度、新人賞への渇望はピークを迎えていました。
今年とっとかないとヤバイ。焦っていました。
なぜなら、第2子を妊娠していたからです。
赤ちゃんを迎えることは至福ではあるものの、
仕事への影響を考えると非常に不安でした。
ちなみに長女はこの時4歳。
時間と愛と体力が有り余り、最近未亡人になってますます元気な
我が母の強力なサポートのおかげで、制限せず働ける環境にありました。
しかし、子どもも1人と2人では大違い。
もちろん産むからにはしばらく会社を休まなくてはいけないし、
さらに、本当に大変なのは復帰してからで、
小さいうちは熱も出る出る。出張も行きにくい。
産休に入る前に獲っとかないと、新人賞はこの先ムリかもしれない・・・。
そんな切迫した気持ちでいたものの、しかし、2013年度はまたしても
1次審査止まり、受賞には至らなかったのです。
ぱんぱんに膨らんだお腹を抱えながら、頭では仕事のことを考えて、
悶々としながら産休に入りました。
そして、悶々が高じたある日、ふと、仕事運を占いに行こう。
と思い立ったのです。
その占い師さんは前々からの知り合いで、
私の所属する劇団「満員劇場御礼座」の看板女優である緑ファンタさん(別名:松井美耶子さん)が組んでいるアングラサイケバンドでひずみまくりの暗黒ギターをかき鳴らす「伊都子さん」という
女性が副業として占いを営んでいるというもので、説明すると非常に怪しい感じがするのですが、当のご本人もなかなかの怪しい空気を醸し出していているミステリアスウーマンです。
さて、どんなスピリチュアルなことを言われるんだろう。
ミーハー心満載で仕事運を訪ねたところ、
伊都子さんが開口一番放った言葉。それは、
「勉強が足りてない」
でした。
がびーん。
至極真っ当。
「・・・でも、あの、勉強って、具体的にどうすれば良いですか?」
もはや占い師に聞くことじゃないような質問をしたところ、
「本を読むと良い」
と言われました。
勉強が足りてない。
うすうす、自分でもわかっていました。
でも、目の前の仕事を懸命にこなすことが
能力の向上に繋がると信じていたんです。
逆に言うと、それを言い訳に勉強を怠っていた、
そう捉える事もできるわけです。
私には、勉強が足りてないのだ。
まず、それを受け入れました。
とはいえ、勉強ってどうすれば・・・?
グランズウェルとかソーシャルシフトとかを、もっと読み込むとか・・・?
それでTCCとれる様になる・・・?
悶々は未だ残っていました。
でも、少なくとも、指標ができたのです。
本を読もう。
占い云々を超えてそれは今の私に必要な行為のように思われました。
だからとりあえず、
伊都子さんの言葉を実行する事にしたんです。
で、予定日が来たのでお腹から赤ちゃんを出して(帝王切開で)、
おっぱいやって、寝かして、本読んで、小説も良いけど
とりあえず広告まわりの本読まなきゃなー、ひとまずブレーンかなー、
とAmazonでポチッて届いたブレーンの中に、
目の覚める記事を発見したのです。
それは、「コピーの時間」という毎月様々なコピーライターが
コピーについて書いているコラムで、私が見たのは
岡部将彦さんが担当された回でした。
「(前略)少なくとも自分にとって、コピーは勉強するものだった。
気付くのが遅かったせいで、4年ほどムダにした。
そこからTCC年鑑をひろげては、コピーを分析する毎日が始まった。(後略)」
がびーん。
あまりにも明確すぎて、もう恥ずかしく情けなくて、でも、ああ、
霧が晴れるってこういうこと言うんだな、と、思いました。
そうか。
コピー上手くなりたいんだから、コピー見て勉強すりゃ良いんだ。
なんというか、岡部さんの4年どころの騒ぎじゃないほど
気付くのが遅いというか、
そう言えば昔から「コピー写経すると良い」とか
よく聞いたのにスルーしてたし、
それどころか年鑑もここ数年よく見てなかったし。
年鑑を見たり書いたりするのは、
若手がやる事って勝手に決めてかかってたんです。
でも、そうじゃなかったかもしれない。
岡部パワーで目の覚めた私はさっそく、
おっぱいやって、寝かしつけたら
Amazonで年鑑ポチりまくったのです。
岡部さん、ありがとうございます。
結局「意識を変える」というのがすっごい重要で、
だからこそ、すっごい難しいことなんですよね。
勉強せねばという意識でブレーンを見ていなかった「今までの私」なら、
岡部さんの記事を見ても気にも留めなかったかもしれないのです。
ていうか、留めなかったです。間違いなく。
こうして、第2子の育休はおっぱいと写経でいっぱいになりました。
5年前、1人目の育休時は3万円のペン習字セットを購入したものの
すぐに挫折した私。
しかし、今回は違います。
1回目と違って子育てへの必死さにも欠けています。
意気込んで写経をはじめてたところ、
予想以上にたくさんの発見がありました。
この年次になってやったからこそ出るウロコが、
目からもうポロポロと落ちまくったのです。
つづく。
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