ハウステンボスと無人島
2014年5月、ハウステンボスは
中間決算発表で「無人島を買うかも」発表をしました。
Yahoo!トップニュースにもなった、このニュース。
記者の方々が無人島関連の質問を
矢継ぎ早に繰り広げたのも、無理はありません。
見出しとして、キャッチーですから。
一方、われら社員は
「ああ、そちらのほうが話題になるんだわ」
と、えもいわれぬ思いを抱いていました。
黒字を保ち続けてもニュースにならないのだ、と。
ハウステンボスは、開業から18年間、
ずっとずっと赤字だったテーマパークです。
立地は、1時間に1本しか列車がこない、九州の西の果て。
私も住んでみて初めて分かりましたが、
マーケティング的に厳しすぎる環境です。
でも、2010年、エイチ・アイ・エスの澤田会長が
経営再建に乗り出し、たった1年で黒字化。
いまも ありがたいことに業績は上がりつづけています。
黒字で当たり前。
こう思われることって、大変なプレッシャーなんだと
広告制作しか知らなかった私は実感しました。
社内を見まわせば、さまざまな業界から集まった
有能な人たちが、常識では考えられないほどの労働量で
自らの責務をバリバリと全うしています。
そうしながら、着ぐるみにも入ったりします。
早朝から出社して、草むしりや場内清掃をします。
ゴールデンウイークなどの繁忙期はレストランの皿洗いだってします。
黒字って、聞こえは華やかですけど、泥臭くやらなきゃ、そうはならない。
いわゆる「クライアント」の立場で働くようになり、痛感しているのは
クライアントのほうが必死ということ。
多少 分かってはいましたけど、想像以上です。
もちろん広告代理店にいたときも必死でしたよ。
この世に自分より忙しい人の割合は
少ないだろうと自惚れてさえいました。
振り返って、自分に苦笑いです。
さて、自己紹介もなしに書き走りましたが
電通関西支社の小出さんからバトンを引き継いで
今週コラムを担当する、後藤エミと申します。
現在の肩書きはコピーライターではありません。
ハウステンボス宣伝課の一スタッフです。
中途入社して、1年弱。
その仕事内容や、宣伝課から見て感じる広告のことなどを
ひよっこクライアント目線で書いていきたいと思います。
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