♪ 今夜 8時なれば
♪昔 隣のおしゃれなおねえさんは
ク リスマスの日 私に云った
今夜 8時なれば サンタが家にやってくる♪
(続き)
少女は毎日、サンタからもらった腕時計をしていた。
幼稚園に持って行くのはダメだったので
ただいまを言う前に、
一目散に部屋へダッシュ。
そして、腕時計をつける。
そんな日が続いた。
つけているのが、楽しくてしょうがなかった。
飼っていたインコが逃げたばかりだった事もあり、
腕時計で寂しさを紛らわしていたのかもしれない。
常に、腕時計を気にしており、ペットのような存在になっていた。
しかし、楽しい時間とは長くは続かないもので、
半年ぐらい経ったある日
突然その時計が動かなくなったのだ。
母親に見せると、
「壊れちゃったのかもね、、」と。
もう、動かないのだと説明を受けると、
涙がこぼれ落ちた。
なかなか現実を受け入れられない。
大きなのっぽの古時計のせいで、
時計は100年動いて当たり前だと思っていたからだ。
サンタさんがくれたのに…。
ソリに乗って届けてくれたのに…。
ユニーでヒゲを引っ張っても許してくれたのに…。
もう動かないという実感が出てくると、
わんわんと泣き続けていた。
すると、
隣でその様子を見ていた父親が
「それ、ヨドバシで買ったやつだから、修理できるでー!」
(ドヤ顔)
え?
うぶな少女には理解不能。
サンタさんは、ヨドバシでプレゼントを買うの?
この時計、サンタさんが、一年かけて作ってくれたんじゃないの?
なんでお父さんが知ってるの?
パニック!
思考回路はショート寸前。
更に泣き叫ぶ少女。
慌てた母親は、
「ちょっとお父さん!
時計はサンタから貰ってる事になってんのよ!」
トドメだ。
ドーン!!
この時計、
サンタからのプレゼントじゃなかった…。
サンタはうちに来なかったんだ…。
ユニーにはいたのに…。
やっぱり、怒ってたんだ…。
その日は、
張り裂けんばかりの泣声が家中に響き渡ったのは
言うまでもありません。
こうして、
少女は、サンタさんの存在を失ったのです。
要するに、何が言いたいのかと言うと、
冒頭の歌詞に戻りますが、
夜中に来てくれるサンタがいなくなり、大人になると
夜8時に来てくれるサンタの存在を期待するのです。
もっと、分かりやすく言うと、
季節外れにこの話をしているのは、
まだクリスマスに間に合うからです。
この不幸な少女に
サンタを紹介してくる奇特な方がいるとか、いないとか。
よかったら、私が「彼女」に取り次ぎますよ。
ご連絡をお待ちしています。
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