リレーコラムについて

ぼくのふつう

道山智之

わー
好きなことが書けるなんて。
それをたくさんの方が読んでくださるなんて。

ご指名いただいた、
大先輩のCMプランナー、
木下一郎さんありがとうございます。

CMプランナーひとすじ20年、
2008年入会の道山と申します。
Everybody calls me みっちー!

昔っからコラムというのを書いてみたかった。
エッセイという言葉にはすごくあこがれた。
それで時々、いつかこんなことを書いてみよう、と
メモしていたりもするのですが・・・

わりと思いつきでバラバラなところにメモしているので、
いざ書ける!というチャンスが来たときに
なかなかそれが使えるものではないのですね。
というわけでご指名をいただいてからの
数日間にふと考えたことを書いてみます
(エッセイぽく・・・)。

******

自分では、ふつうだと思っているのに、
人からかなりの頻度で言われることがある。

「メモ帳がすごいね」
「カバン重そうだね」
「半そで寒くない?」

1. 「メモ帳がすごいね」

昔っからそんなにメモ魔だったわけではない。
でも入社したての頃、ぼーっとして話を聞いていたときに
上司に「ちゃんとメモとれ!」と言われたのがきっかけで、
それ以降とにかくメモをとるようになった。

きまじめだから、というわけではない。
メモをとるといったん忘れられる、肩の荷がおりる。
脳みその外づけハードディスクとしてメモをとる。
(クラウドというよりは、書きこむところが外づけハードディスクな感じ)

やたらメモの量が多いのは、
やるべきことが多いからというよりも
忘れたいことが多いからとも言えるだろう(笑)。

あるとき先輩の女性コピーライターがぼくのメモ帳を見て
「キモチわるい」と苦笑した。
たしかに、ぼくもそう思う(笑)。
みんなのメモ帳はどうやらぼくのより
ずいぶんスッキリらしい。
うらやましい。

2. 「カバン重そうだね」

これもよく言われる。
たしかに、重い。
極限まで書類をへらしても、
やっぱり重い。
なんで?

いざというときの充電器や充電池、
デジカメ、筆箱、マウス(これがないとどうも・・・)などなど
入ってるからかな。
そもそも物を入れるポケットが多い分、カバンの自重が重い。

そしてやっぱり普段は書類も多い。
あのときの企画って・・・とか
カット表あったっけ・・・ってときに
パッと出てくる方がやっぱり気持ちいいので、
たくさん持ち歩いてしまう。

まわりのみんなは、仕事はいそがしいのに、
カバンはすっきりしている人が多い。
どうやって整理してるんだろう。
わからないが、うらやましい。

3.「半そで寒くない?」

これもよく言われる。
ついこないだも、エレベーターが開いた瞬間、
半そでのぼくが現れたことに
先輩がかなり驚いていた(冬)。
けっこう寒い季節になっても、半そでを着ていたりする。
LAから来たスタッフが
冬でもTシャツだったりするのを見ると、
体質的に親近感をおぼえるが。

外を歩くときも、暑くなったら
すぐにボタンをはずして外気で空冷できるよう、
セーターよりカーディガンを重宝している。

でもやはり多少暑くても汗をかかずに、
冬には冬の服を楽しめる人が
うらやましい。

・・・一方で、
昔はよく言われたけど最近は言われなくなったこともある。

「(オフィスで)いつも走ってるね」
「“なるほどなるほど”と相槌うちすぎ」

昔も今も同じようにやってるつもりだが、
少しは落ち着きも出てきたのかなあ。
ぼくのふつうが、いつのまにか
消えてしまったものもあるんだと気づく。

しかしこうやって書いてみると、
基本的には、自分があまりふつうじゃないんだなってわかる。
この機会がなければ、そんなに意識しなかっただろうなあ。

わかったからには今年は、

メモの量を少なく(→記憶力を高めるためイチョウの葉のお茶を飲む)、
カバンを軽く(→新しいのを買って自重をへらす)、
冬はいつも長そでを着る(→もう少しやせて汗をかかないようにする)、

なんて目標もたてられるではないか、と思う。
ぼくのふつうを変えてみるのもわるくない。

道山智之

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