リレーコラムについて

時代の半歩先

中澤昌樹

昨日のコラムで少し軽めに毒付いてみましたが、
特に賛同や反論が殺到したということもなく、
ただ単に世界中のCDを
敵に回しただけという結果になってしまいました。
最終日となってはそれもいい思い出です。

さて、せっかくなのでもう一つ、
広告業界の常識に斬り込んでみたいと思うのですが、
よくクリエーターって、
時代の半歩先を行かないといけないとか言いますよね。

あれ、うそです(たぶん)。

半歩先のことなんて、誰も求めてないです(たぶん)。

たとえば、タレント業界に詳しい人が、
半年後にブレイク確実だと睨んでいるタレントを
クライアントに提案したとしますよね。
でも、そのタレントはその時点では「無名」なので、
クライアントからすると「誰?」みたいなことになります。
絶対にブレイクしますよ!と説得することはできますが、
不確実な情報にお金を投資してもらうのは、
そう簡単なことではありません。

仮に私がクライアントだったら、
1クールでいいからこじるりを使わせてくれ!と言います。
何だったら競合排除なしでも大丈夫です。

結局こじるり推しの文章でしかないのが悲しいところですが、
広告という仕事が、クライアントさんと、
その向こうにいる多くの人たちを相手にするものである以上、
あまりに進んだ情報というのは意味をもたないか、
非常に使い勝手が悪いことが多いのです。

というわけで、最後になんとなく、
このコラム全体を貫くテーマみたいなことを書くとすれば、

広告の世界を目指す人や、広告の世界で活躍したいと思う人が、
特別な才能の持ち主であったり、
特別な知識に長けている人であったり、
特別な生活を送っている人であったりする必要は、
たぶん、ないということです。

いや、そういう人のほうが絶対に有利ですけど(あかんがな)、
そうじゃない人にも、チャンスはいくらでもあります。
そうでないと、私が困ります。

というわけで、何となく同じカテゴリーにいる皆さん、
一緒に頑張りましょうね。
ちなみに私自身は、そういう言葉が生まれる何年も前から
「ゆとり」や「コミュ障」「女子力男子」などを
率先して体現してきた、
時代の最先端の人間であることを最後に書き添えておきます。

それでは、1週間のお付き合い、ありがとうございました。
来週は同じ関西の鈴木契くんにバトンを渡したいと思います。
あの「村田製作所チアリーディング部」で
佐治敬三賞を受賞したばかりの、とっても旬な男です。
本当にチアやってたら気持ち悪いですけどね。

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