リレーコラムについて

蚊にさされた跡はつくれる

中塚未央

時はさかのぼり、中学2年生の頃。

勉強があまり好きでなかった私は、
授業中が暇で暇で仕方ありませんでした。
(この時点で間違ってると思いますが・・・すみません汗)

教科書の偉人への落書きは一通り終え、
当時仲の良かった友達(以下:しんこ)と交換手紙、交換漫画などを
繰り返し、それにも飽きてきた頃。

我々はふと、「蚊にさされた跡」を
手に描く、という遊びを思いつきました。

中学生の女子といえば、カラフルな水性ペンを無駄に所持しています。
そのペンを何色も使い、特殊メイクのように
蚊にさされた跡をリアルに描いて、
みんなを驚かせちゃおう!というわけです。

・・・そこからは、ひたすらクオリティとの戦いでした。

単に刺された跡とはいえ、赤いペンで塗るだけではダメなのです。
ピンク、オレンジなどを絶妙に調合しながら、
指で境界を丁寧にぼかしていき、
血を吸われた部分は小さな点となっているため、
パイロットの0.3mmペンを駆使し、ぐぐっと濃いめの赤を入れます。

しばらく試行錯誤すると、左手の甲には
6〜7箇所の蚊にさされた跡が完成しました。

しんこ「すごい!結構リアル!」
私「これ遠目にみるとかなり本物みたいじゃない?」
しんこ「てか、きもい!うける〜(笑)」

・・・その見た目は、確かに気持ち悪いものでした。
2人の中では盛り上がりましたが、
別の友人に見せるととても嫌な顔をされました。

しかしながら私としんこは、
その特殊メイクまがいなことにすっかりはまってしまい、
さらに難易度の高い青あざに取りかかることにしました。
青、紫、黒、赤、お互いのペンを貸し合いながら
左腕に描いていきます。

私「ちょっと鮮やかすぎじゃない?」
しんこ「アザってもっとどす黒いよね。」

どうやったらよりリアルな青あざが作れるのか、試行錯誤を重ねました。

しかし複雑な色の重なりで形成されているあざは
水性ペンで再現するには無理がありました。

うーん。難しい。
なんちゃって特殊メイクも、これが限界か・・・。

そう諦めかけた時、しんこの席の方から、
何かをバチバチ叩く音が聞こえ始めました。

バチン!バチン!

リアルさを追求したしんこは、実際に腕を叩くことで
よりリアルな赤みを足していたのです。

私「しんこすごい!そのアザかなり本物ぽいよ!」
しんこ「ほんと!?よし!」

バチン!バチン!バチン!!

実際の炎症による赤みなのでリアルなのは当然です。
しかししんこはさらに自らの腕をバチバチ叩き続けました。

しばらくすると、青あざの周りにはリアルな赤みが追加されており、
もはや特殊メイクなんだかリアルな負傷なんだか
よくわからなくなっていました。

しんこ「先生見て!転んで打っちゃいました(笑顔)」
担任「えぇっ!?なんでそんなところにあざが!??」

左腕に並ぶ不自然な青あざ4つ。
どこにどうぶつかればそんなあざが生まれるのか。

担任はただならぬ状況に事件性を感じ、
気づけば校門前には警察が・・・。

・・・ということには決してならず、
まわりの友達に「まじできもいんだけど」とどん引きされて
終わりました。

そんな、中学時代の暇つぶし。
青い春とかいて、青春・・・。

この夏、どこにも行く予定がないけれど
山にキャンプに行ったアピールをしたい、なんて方は
蚊に刺された跡、作ってみてはいかがでしょうか。

※青あざはおすすめしません!

NO
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