マキさんが教えてくれたこと。(2)
(きのうのつづき)
ねえ、みなさんだったら、どうします?
仲畑さんベアですよ、仲畑さんベア。
こんな大事なもの、もらっていいのだろうか?
いや、いけない気がする…。
羽生選手がメダルあげると言ったら、もらえますか?
錦織選手が優勝カップあげると言ったら、もらえますか?
でも…
あげるというものを断るのは、
もっといけない気もする。
真央ちゃんがメダルあげるよと言ったら、断れる?
白鳳が優勝賜杯あげるよと言ったら、断れる?
(これは断れるか…置くとこないし)
以上のようなことを2.5秒ほど考えて、
「わあ、ほんとですか?いいんですか?
うれしいです!ありがとうございますっ!」と私。
次の日、大阪にクマを連れ帰り、
さっそく仕事場のいちばん目につく棚に置く。
机の上にはパーティーで交換した名刺たち。
私は、ずっと、クマを眺めていました。
昨日まで遠くに感じていたTCCが、
なんだか近くに感じた、秋の夕暮れでした。
私の新人賞のときのトロフィーは、
クマじゃなかったので、クマちゃんは孤独でした。
クマちゃんは私と目が合うたびに、
ひとりじゃ寂しい、友達がほしい光線を出すのです。
(いつかは欲しいと思っていた新人賞の次の賞。
がんばったら、いつかはは、あるよね?)
そして翌年、自分の名前の刻まれたクマを
連れて帰ることができたのです。
仲畑さんベアは、ものすごいご利益ありました。
それもこれも、眞木さんのひと言から。
パーティーに来た方がいいというシンプルなひと言。
だけど私には大きなひと言。感謝です。
と、ここで終わりにすると短すぎるので、
もうひとつ。
眞木さんが教えてくれたこと「番外編」を。
15年くらい前だったかな。
とある広告賞のパーティーで、
眞木さんが横に来て小声で言うのです。
「児島令子、2ちゃんねるって知ってる?」
「なんですか?それ」
「インターネットの掲示板。帰ったら検索してごらん。
コピーライターの名前も出てくるよ。
児島令子の名前もあるんじゃない?」
私は全く意味がわからず、
大阪に帰ってPCで検索してみることに。
※ちなみに当時の私のPCは、
Mac史に輝く、変態キュートなクラムシェル型 iBOOK!
カラーは、超目立つ蛍光緑、キーライム!
取っ手付きでバッグのように持ち運べ、
これをさげて新大阪のホームに立ってる私を、
ホームの端からもしっかり目撃できたという証言多数。
で、検索。
「へ~!こんなのあるんだ」
その膨大な掲示板から広告板を発見。
確かに仲畑さんや糸井さんの名前がでてる。
まさかと思ったけど、自分の名前もあった。
「児島令子は仲畑広告出身だから」って書き込みが。
ちがうってば!
以後私は、2ちゃんで遊ぶようになりました。
広告板でなく、仕事と無関係な自分の好きな板に
出入りして。(どこかはヒミツ♪)
ハンドルネームやトリップも使い、
自分用のAAも持ち、
プチ炎上なんかもあったけど、
仲良くなった人とはメッセンジャー(懐かしい!)に
移動してチャットもしました。
さらに、関西圏の人たちとはオフ会まで!
心斎橋でご飯したり、琵琶湖でバーベキューも。
社交的じゃない私をこうさせた力は何でしょうね。
2ちゃんでのやりとりは、
そう、匿名性の中の顕名性を遊ぶ感じかな。
オフ会は、匿名性を実名性に戻す遊び。
あくまでもコジマ総研的な捉え方ね。
この2ちゃん経験が、私のコピー作法に
影響を及ぼした、なんてことはないけれど、
わりと早い段階でネットの洗礼を受けれたことは
よかったかなと思います。
耐性ついてるので、
自分のコピーが少々けなされても大丈夫。(少々ね)
そういえば今年TCC賞をいただいた、
「私は雑草。心ある雑草。」というearthのコピー、
ネットでどなたかが怒ってました。
「私は雑草? 宮崎あおいちゃんが雑草だったら、
私はなんだよ?土か?石か?」と…。
おそれいります。
コピーを目指す動機付けから、ネット指南まで、
眞木さん、ホントにありがとうございました。
これを読んでもらえないのが、寂しいです。
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