リレーコラムについて

年賀状と3次の影響

照井晶博

11月16日の18時58分のことです。
いつものバーで2杯目のマティーニを飲んでいると、
♪ピロン。LINEの通知音が鳴りました。
こじはる
だったらいつものように無視していたでしょう。
でも違う。
世界には即既読、即返信したほうがいい人がいる。
こじれいでした。
「不幸の。。。。
いや違う!幸せのバトン受け取ってもらえますか?」
とペロペロ★スパ~クルズの
それはもう愛くるしくラブリーなスタンプとともに。

児島令子さんからバトンを受け取りました照井です。
児島さんがほめてくださった「年賀状」とは?
気になったかたも何人かいらっしゃるでしょうか。
話の都合上、いらっしゃる前提で続けます。
この「年賀状」、めったなことではほめてくれない
佐々木宏さんも「すばらしい!照井のコピーの中で
ベストワン!?TCCに出したら?」とテンション高めな
LINEをくれました。貴乃花のスタンプとともに。
会社名(ぼくの場合、イコール個人名ですが)で
出したものなので会社の広告と言えなくもなく、
じゃあシャレで出してみようかと一瞬思ったことを
ここに正直に告白しておきますが、いや待てよと。
こいつなに年賀状出してやがるんだよ!
調子ぶっこいてんじゃねえぞコラ!
とか思われそうだなぁと考え、
やめられるくらいは自制心があるのがぼくです。

前置きが長くなりましたが、安心してください。
いますぐコピペします。

年賀状を出さない→来なくなる→その世界的影響

年末の忙しさを言い訳に、ここ数年、年賀状を出してい
ませんでした→すると、なにが起きたか→年賀状が来な
くなりました→枚数が減りました→年賀状だけでギリギ
リつながっていた何人かとのつながりもプツンと切れて
しまいました→年賀状なんかもう古い→そう言い聞かせ
ていたのですが、最近読んだ本にビックリすることが書
かれていたのです→「友だちの数で寿命はきまる」とい
う本なんですが、人との「つながり」が少ないと死亡率
が2倍とか、肥満やお酒やタバコより孤独のほうが身体
に悪いとか、最新の予防医学が実証しているという内容
でした→ホントかなぁ…と思い、この本の元ネタでもあ
る「つながり 社会的ネットワークの驚くべき力」とい
うハーバードでネットワーク理論を研究する教授の本を
読んだんです→超ざっくり要約すると、人が幸福になれ
るかどうかは、その人がどんな人であるかより、どのよ
うな社会的ネットワーク上にいるか(=誰とつながって
いるか)で決まる、ということを様々なデータから導く
内容で、本によると、世界のあらゆる人は「6次のへだ
たり」によって相互につながっていると→たとえば、あ
なたとローマ法王、あなたとメッシだって6人をたどる
とつながるのだと→そして、3次のへだたりまでは、感
情、行動、意見、幸福が影響するというのです→つま
り、年賀状が減り続けていくぼくのさびしさが、知人の
知人の知人にまで影響してしまうよりは、あ!○○さん
から年賀状来たぞ!というよろこびが、知人の知人の知
人まで伝播するほうが、社会的にいいことではないか…
→という思いから、ひさしぶりに年始のご挨拶(ずいぶ
ん遅くなってしまいましたが…)をしてみようと思いま
した→2015年、どうぞよろしくお願いします。 

ふう……コピペ終了。
それにしても、コピペはやばいですね。
字数がこんなに稼げてしまった!
なんとか細胞のあの人がついつい
多用してしまった気持ちもわかります。
ただ、ぼくの場合、
自分が書いたものをコピペしたわけですから、
剽窃でもパクリでもないのですが。

話を進めます。
ネットワーク理論によると、3次のへだたりまでは
感情、行動、意見、幸福が影響する。
だとすると、広告の影響って
めちゃくちゃ大きいんじゃないか。

つまんないコピーや広告を見た人の落胆の感情が、
知人の知人の知人にまで影響するのだとしたら大変です。
逆に、コピーや広告によって、どこかの誰かを
ちょっとでもいい気持ちにすることができたら、
それは世界にとって、なかなかわるくない伝播を
起こせたことになる。

だから、ちょっとでもおもしろくしたい。
おもしろくしなきゃいけない。
会ったこともない、
この先会うこともないかもしれない、
たくさんの人たちの幸福にさえ、
ぼくらの仕事は関わることができるのかもしれない
と信じて。

と、いい感じに終わろうとしているいまになって、
やっかいなことを思い出してしまいました。

うーん……2016年の年賀状、どうしよう?

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2004年に書いて以来のリレーコラムです。
あのときはちょうど博報堂を辞め、
箭内さんたちと風とバラッドをはじめる直前でした。
当時は、自分が佐々木さんに呼ばれて
BOSSをやるだなんて全く思ってもいなかったし、
箭内さんがまさか紅白に出るだなんて
想像すらしていなかったし、
風とバラッドが解散することになることも
ぜーんぜん予期していませんでした。

まぁ、そりゃそうです。
だから、きっと、おもしろいんですよね。

未来の自分というヤツは、
いまの自分には想像つかないこともやってしまう。
案外たいしたものなのかもしれません。

さて、
明日の自分は、なにを書いてくれるんだろう。
たのんだぞ、明日のおれよ。
今は特にアイデアないけど、たのんだぞー。
裏切るなよー。期待してるぞー。

というわけでみなさん、
金曜までよろしくお願いします。

NO
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