リレーコラムについて

VRでなくてもええやん

内田伸哉

第一位 VR化する
第二位 IoTをつくる
第三位 3Dコンテンツをつくる

以上が最近の企画書で見たワードベスト3です。
おそらくみなさんも同じ感覚なのではないでしょうか。
(VR 仮想体験のこと。スマホを目の前のディスプレイ
とかにする。 IoT いろんな物をネットにつなぐこと)

で、次の瞬間思うのは「絶対VRとか定着しない。」ってことです。
IoTや3Dもしかり。物珍しい感じはしますが絶対日常では使われません。

最近の企画書では「良さ」より「手法」の言葉が踊っている気がします。
特に、ヤフーのようなネット業界では尚更です。

これはネットが「ニューメディア」と「オールドメディア」の狭間にいるために
起こっていることなんじゃないかな、と私は思います。

ネットが誕生してから10年くらいは「4マス」と「ネット」が区別され、ネットは
なんか無駄にキラキラしていました。

しかし、いまや「インターネット」という言葉も使われなくなり、ネットも古い
メディアになりつつあります。

ところが、ネット業界で働いていた人は「とにかく新しい技術やテクノロジー
を盛込めば人が反応してくれる。」という90年代後半の体験を持っています。

そういう人は今の時代も「新しい」ということが引きになると考えがちです。

しかし、当時と違い今はテクノロジーやネットでやれることは飽和しています。
あまり「新しい」ことによりメリットが生まれるアプリやコンテンツは生まれて
いません。(個人的には2011年誕生の「LINE」が現状最後なのでは、思います。)

「ネットで物が調べられる」って言われれば技術便利だって直感的にわかりますが
「スマホでVRが体験できる」って言われてもやらないよ、って思いますよね。

海外で働く代理店の人と飲んだときに、たしかにな、って思ったことがありました。

「日本人は新しいかどうか、にこだわりすぎる。どこの代理店の企画にも最新とか
日本初とかをウリにしている。新しいかどうかより、面白いかどうかにこだわった
ほうがいいのに」と。なるほど。

たしかに、日本のドラマとかも複雑化して視聴率が下がった後、シンプルな韓流ドラマ
が大流行した時期がありました。
「美男美女」「必ず交通事故に合う」「記憶喪失」とか、ベタベタな内容ですが、ベタベタ
な面白いことを丁寧に表現したからヒットしたのではないでしょうか。

ネットが誕生し20年。

そろそろネットも「新しい」から卒業して、ちゃんと「面白い」とは何なのかと向き合う
頃合に来ているのでは、と思います。

…あ、でもこのTCCのHPは流石に新しくしたらいいのに、とは思います。古すぎでしょ!

さて、私のコラムはここで終わりです。一週間ありがとうございました。
次のバトンは電通の頃、同期の中で一番「面白と」と向き合い、追求していた佐藤雄介さんです。
というハードルを上げに上げてバトンを渡したいと思います。ゆーすけ、よろしく!

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