リレーコラムについて

コミュニケーション・デザイナー。(後編)

尾上永晃

前日の続きです。

・・・
といった感じで何度も何年も怒られ続けていると、
脳内の対岸さん葉みたいなのが発達してきたらしく
あまり響かなくなってきてしまいました。
岸さんもそれを看過したと見えて、
・電話とメールで二元中継的に怒る
・LINEでスタンプを交えて怒る
・twitterに僕に対する怒りを吐き出す
と様々なコミュニケーション・怒ザインを仕掛けてきましたが
中でもすごかったのが
・尾上がいかにダメなのかを説明する企画書を送付してくる
というものです。
パワポで、これはダメだ→なぜならば→・・・だからだ
みたいなのがアニメーション付きで送られてきたときのあの気持ち。
この人ほんとすごい(やばい)な、と。
あのパワポがどこかに行ってしまったのが悔やまれます。

「一度はくらってみたい岸さんの怒り50選」
みたいになってきましたが、本題は違います。

言いたいことは
岸さんは、
この熱量の関与を全領域においてやっているということです。
CMもデジタルもOOHもPRもメディアも全部。
だもんで、打ち合わせが7時間とかになって
ずっとしゃべり続けているという。
それを間近で見続けてきたので、
大体これくらいやると全体設計が形になるんだ
ということは分かってきたのですが、
そう簡単ではありません。
どこか、まあいいかが生まれたり、
スタッフ間の意思疎通にズレが生じたり。
そのモチベーション管理から、
文脈設計まで全部含めて
コミュニケーション・デザインなんだと思います。
そんなん、そう簡単にできるものでは無いです。
頭おかしいくらい考えてないと。
岸さんのコートがピンクなのはあれ、
考えすぎて脳から血が出て染まってるんですよ。

それまで僕を舐めてた後輩も、岸さんと一度仕事すると
「…ほんと…尊敬します。」って虚ろな目で言い出すような環境。
そこで数年しごいていただいたおかげで、
今では、そこそこ全体設計めいたことが出来るようになってきました。
企画書も早くなりました。怒られることも減りました。
実際、仕事上もスムーズに進むことが増えました。
こっそりとても感謝しています。

でも、たまに岸さんと仕事すると
「時間が無い中にしては、なかなかだな。」
「卍解はまだ先だ。」
「涅マユリ先輩は・・・」
と、なぜかブリーチを引き合いに出して、
まだまだだと言われたり実感したりするので、
学んだことを活かしつつ
自分の道を歩かないことにはあの領域には近づけ無いのだ。
と思ってプランナーと名乗っています。

余談ですが、
佐々木宏さんも打ち合わせ7時間くらいかかるし、
ずっと喋ってるし
「わたしは昔から景品とか細部まで考えるのが好きなんです」
とか言ってるしで、なんだか似てるなと思いました。
お互いはそう思って無いでしょうが・・・。

※この記事は岸さんに秘密で書いてるのでチクらないでください。

NO
年月日
名前
5805 2024.11.22 中川英明 エキセントリック師匠
5804 2024.11.21 中川英明 いいんですか、やなせ先生
5803 2024.11.20 中川英明 わたしのオムツを替えないで
5802 2024.11.19 中川英明 ドンセンパンチの破壊力
5801 2024.11.18 中川英明 育児フォリ・ア・ドゥ
  • 年  月から   年  月まで