食べさせる喜び
クサい食べ物が好きだ。
もちろん自分が食べるのが大好きなのだが、
それ以上に楽しいのが人に食べさせることだ。
特にクサいのが苦手な人に食べさせたときの
リアクションはたまらない。
僕の周りで、クサい食べ物が苦手な人は、
ほんとうに大変だと思う。
たとえば同期で行った上海旅行。
臭豆腐という世界のクサいものの中では
まぁ序の口レベルにクサい食品が屋台で売られている。
僕は嬉々として食べたのだが、
嫌そうな顔をしていた同期に食べさせてみたら、
しばし悶絶した後もどしていた。
同期の寿ビデオを作ることになって、
罰ゲームとしてくさやシュークリームを
手作りしたこともあった。
クサさを出すためにちゃんとくさやを焼いて作った
くさやシュークリームは想像以上の効果を発し、
彼は走りながらもどしていた。
世界一臭い缶詰と呼ばれる、シュールストレミングを
仕事で使ったこともあった。
動画内で出演者に食べさせるなら
我々スタッフがまず食べるべきだということで試食した。
ツマミにちょうどいいとモリモリ食べる僕のよこで、
無理矢理食べさせた後輩は
涙を流しながらもどしていた。
SPIKES ASIAに視察に行った時も
先々週リレーコラムを書いた尾上君にドリアンを無理強いしたら、
ニンニクを生で食べてるみたいだと閉口していた。
もはや「もどさなかった=受け入れられた」と考えているので
尾上君とはまたドリアンを食べにいきたいものである。
そんな僕が目標にしているのはキビヤックを食べること。
いまだその姿を見たこともないが、
イヌイットに伝わる伝統料理で、
アザラシの内蔵をくりぬき、
海鳥を詰め込んで発酵させたものだという。
アラスカやカナダ北部、グリーンランドで食べられるらしい。
いつかアラスカあたりに行って、
キビヤックを自分で味わいたい。
そして願わくば、苦手な人に食べさせてみたい。
「わざわざキビヤックを食べにアラスカまで一緒に来てくれてかつ、
キビヤックが苦手な人」なんてこの世に存在するとは思えないが…。
というわけで来週は、
クサいもの好きの同志
村田俊平くんによるリレーコラムです。お楽しみに。
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