リザーブ 鮎篇 120 N:「春生じ、夏長じ、秋衰え、冬死す。故に年魚と名づく」
また鮎の季節がやって来た。
鮎というと、すぐ長良川の鵜飼いを思い出すが、しかし、やはり鮎は友釣だろう。丹波の和知川、豊後の日田川、京都の保津川、阿波の吉野川…。
鮎ほどお国自慢の多い魚はないが、確かに鮎の味は、川によってまるで違う。さまざまの川に、さまざまの鮎がいて、それぞれの川の味を持っている。
鮎を食べるとき、私たちは、その川を、清流を食べているのだ。
鮎は、川底の苔を食べて生きている。
だから香りが、あんなに典雅なのである。鮎を食うと、体の中が清らかになったような気がする。
皿の藍すずしく鮎を横たへぬ
鮎は何といっても塩焼きにかぎる。
蓼酢につけると音立てそうに熱いのを、頭からガブリとかぶりつき、熱く、ほろ苦い身を口一杯に頬張るのである。
そしてゆっくりと、オン・ザ・ロックスをやる。
キリリと冷えたオン・ザ・ロックスをやる。
「今年もまた会えて、幸せなことです」
サントリー・リザーブ
いい季節になりました。
サントリー・リザーブ
NO.8867
広告主 | サントリー |
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業種 | 酒類・タバコ |
媒体 | TVCM |
コピーライター | 西村佳也 |
掲載年度 | 1988年 |
掲載ページ | 62 |