ピンポンだっこ...

ピンポンだっこ 「じいじ、だっこ！」
と、せがむ3歳の娘は、いつも父に容赦がない。
今日も、父に抱っこさせて外のチャイムを鳴らし、
父ひとりを裏の勝手口に走らせ、家の中から玄関を開けさせて、
「いらっしゃーい」と出迎えてもらう。
そんな謎の遊びを延々と繰り返しているのだ。
一緒に暮らしている父は、私が二人目を妊娠してから、
いままで以上に娘の相手をしてくれるようになり、
悪いとは思いつつも、甘えさせてもらっている。

遊び疲れて、ついに限界を迎えた父が畳の上で横になっていると、
娘が重そうに枕を持ってきて、強引に父の頭の下へと押し込んだ。
そして、寝かしつけるようにポンポンと背中を叩き始めた。
じいじの優しさは、この子にもちゃんと伝わっていたんだ。
そう思ったら、すっと気持ちが軽くなった。
来月、じいじの遊び相手は、もう一人増える。