東海テレビ放送 企業(公共キャンペーン)「この距離を忘れない」篇
TVCM 300秒 S:
⼈に近づけない。今までの取材ができない。
2020 年5 ⽉。東海テレビ報道部。

記者:
本当は僕らが⾏って取材をしたいところなんですけど、
感染拡⼤させちゃうっていうのも良くないので。
なんだろ・・・対⾯取材をしないというか。
こう・・・今の様⼦みたいなのを撮ってほしいんですよ。
雰囲気だとか、こういう⾵に・・・こう・・・

S:
社会が変わった。報道はどうする。

記者:
・・・あれ?もしもーし?

S:
この距離を忘れない。東海テレビ

夫:
だってもう、アヤちゃんいなくなってから3か⽉ぐらい経ってるよ。

妻:
あーそうか。そうだよね。まあ・・・あと3か⽉は確実に離れ離れだよね。

S:
新婚夫婦は別居を決めた。

夫:
もうあと少しだからね。産まれるのも。

妻:
⽴ち合いはできないけど。・・・なに作ったの?今⽇。

夫:
あの・・・卵焼きと、あれ?なんだっけ?

妻:
・・・まあ、暇なときに電話してください。じゃあね。

夫:
じゃあね。

S:
妊娠中の妻を守るために。
この距離を忘れない。東海テレビ

⼥の⼦1:
アイル!アイル!

⼥の⼦5:
ヤッホー!

⼥の⼦1:
久しぶりにみんなで話すね。
わたし、最初はコロナの休みでちょっとラッキーだなって思ったのよ。

⼥の⼦4:
アハハ

⼥の⼦1:
でも、⻑期間休んでる間にめっちゃ学校に⾏きたくなったのよ。

S:
⼩学5年⽣の本⾳

⼥の⼦2:
勉強だけじゃないんだよね。学校は。

⼥の⼦3:
わたし最近、ベランダでパンケーキ⾷べた。

⼥の⼦2:
リコね、⾁まん作ったよ。

⼥の⼦1、4:
すごーい!

⼥の⼦1:
⼤事なのは距離じゃなくて、あの、距離というか・・・
⼼の距離なんじゃないの?体の距離じゃなくて。

S:
⼦どもたちは、学んでいた。

⼥の⼦5:
離れていても、まあー、友達はなくならないよね。たぶん。

S:
この距離を忘れない。東海テレビ

S:
⽇本から12,000km離れた国。

⼥性:
マラリア、結核、エイズ。コロナなんか、特にみんな気にしてないかも。
気にしてないというか、恐怖⼼はもってない。

S:
コロナに恐怖⼼はない。

⼥性:
けど、ブルンジは独裁だし、他のアフリカの国よりも貧しいから、
希望を持っているブルンジ⼈はすごい少ないと思う。

S:
世界最貧国ブルンジに嫁いだ。

⼥性:
この国の絶望的な将来というところから、結構悩みが・・・。
⼤統領の、政治のせいで⽣活も良くならないしで、国⺠はなにもできないから。

S:
国⺠と政治は、かけ離れていた。

⼥性:
⽇本も⽇本で、絶望的だと思うけど。

S:
この距離を忘れない。東海テレビ

ママ:
あー、来た来た来た!ありがたいです。

S:
オンラインスナック開店

男性1:
ママのために延⻑してもいいですけどね。

ママ:
いいんですかー。うれしいー!

男性2:
解禁されたから、すぐ繁盛っていうわけにもならないですよね?

ママ:
そう。ぜったい、ないない。

ママ:
何の保証もないってことに、まずびっくりしましたね。

S:
たくましいんじゃない。

NA(ママ):
⽔商売の税⾦は、無駄なの?何のために使われるの?
わたしたちの声って上に届かないから・・・

S:
社会との距離が、たくましくさせている。

NA(ママ):
まあでも、離れてるときやからこそ、
お客様との距離はぐっと近づいたような気もします。

S:
この距離を忘れない。東海テレビ

⺟:
元気かねぇ。どうかね。

S:
緊急事態宣⾔のなか

⺟:
あ、歩いてくるじゃん。

娘:
すごーい。

息⼦:
おばあちゃーん。

S:
祖⺟と特別な⾯会が許された。

職員:
今ちょっとね。降りられないもんで。

⺟:
おばあちゃん!お誕⽣⽇おめでとう。

娘、息⼦:
おめでとう!

⺟:
リハビリ頑張ってる?

祖⺟:
・・・・・・

息⼦:
また、来るからね。

孫:
バイバーイ

⺟:
また来るねー。

S:
この距離を忘れない。東海テレビ

祖⺟:
・・・。

S:
そのとき距離は、
そのとき距離は、思いやりになった。
そのとき距離は、教材になった。
そのとき距離は、脅迫になった。
そのとき距離は、政治の道具になった。
そのとき距離は、怒りになった。
そのとき距離は、覚悟になった。
そのとき距離は、愛の証になった。
そのとき距離は、⽴ちはだかる壁になった。
そのとき距離は、ヒントになった。
そのとき距離は、引き⾦になった。
そのとき距離は、理由になった。
そのとき距離は、差別になった。
そのとき距離は、⾔い訳になった。
そのとき距離は、起爆剤になった。
そのとき距離は、思い出になった。
そのとき距離は、罵倒になった。
そのとき距離は、汚名になった。
そのとき距離は、侮辱になった。
そのとき距離は、軽蔑になった。
そのとき距離は、⽪⾁になった。
そのとき距離は、称賛になった。
そのとき距離は、社会問題になった。
そのとき距離は、ありがとうになった。
そのとき距離は、ごめんなさいになった。
そのとき距離は、流⾏語になった。
そのとき距離は、ゲームになった。
そのとき距離は、⽴ち⽌まらせた。
そのとき距離は、⼈を遠ざけた。
そのとき距離は、⼈を近づけた。
そのとき距離は、前進させた。
そのとき距離は、
そのとき距離は、わたしたちに、⼤切なことを考えさせた。
この距離を忘れない。東海テレビ

NO.2021670

広告主 東海テレビ放送
受賞 新人賞
業種
媒体 TVCM
コピーライター 山中康司
掲載年度 2021年
掲載ページ 568

山中康司やまなか やすし

2021年入会