ミント・クロニクルズ。 ミント
大学で文学部の女子学生と友だちになった。
北海道生まれだった。北見はね、と彼女が言った。
何もないところ、ミントの畑ばかり。

学校を出て、はじめて父と銀座のバーで会った。
夏だった。父と同じカクテルを頼んだ。ミント・ジュレップ。
テネシー・ウイスキーを使っています。と、バーテンダーが言った。

道は防壁に沿って続いていた。緑が見えるとそこがホテルだった。
モロッコ、マラケシュ。チェック・インしてミントティを頼んだ。
シルバーのポットに生のミントが心地よい香りを放っていた。

レタスと松の実とリンゴ酢のサラダに、きざんだミントが入っていた。鉢植えのミントだ。
旅行に行ったみたい。妻はうれしそうだった。

MINT

ハーブ そして、サラダは旅に出る。

NO.2023178

広告主 キユーピー
受賞
業種 食品・飲料
媒体 雑誌
コピーライター 秋山晶
掲載年度 2023年
掲載ページ 310