毎日が障害物競走。 深夜1時に起きる。
豆腐を作って4時に新聞配達へ出かける。
ほとんどが細い山道だ。落石があれば自分で退ける。
伸びた木や竹が道を塞いでいれば、
車に常備しているハサミやノコギリで道を切り開く。
どうしても車が通れない場所は︑歩いて新聞を届ける。

川の氾濫が何度かあった。走れる道から新聞を配った。
どの道がよく冠水するかは生まれ育った町だから知っている。
配達は昼までかかったが、こんな時にありがとうと感謝された。

新聞の配達を終えて家に帰ると
豆腐の配達をする。
趣味で作っている豆腐は道の駅やご近所で評判だ。

家に戻ると猫の散歩をして、日が暮れるまで農作業をする。

「配達毎日しとると健康でええよ。人の悪口を言わんでいいけぇ」

と、猫を抱えながら光岡さんは語った。

新聞を配ることは、気を配ること。

NO.2023612

広告主 山陰中央新報社
受賞
業種 マスコミ・出版
媒体 新聞
コピーライター 日下慶太
掲載年度 2023年
掲載ページ 523

日下慶太くさか けいた

2008年入会