サントリーホール 埴生の宿 M:~埴生の宿
N:この美しい曲が禁じられた時代があった。
演奏することも聴くことも禁じられた時代があった。
埴生の宿、峠の我が家、庭の千草…。
昭和18年、敵国の曲という理由で
戦争は、1千曲にも及ぶ演奏禁止リストを我々に突きつけた。
僕の父は埴生の宿に涙ぐむ。
焼け跡に帰ってきた三つ編みの女の子が
日暮れになると歌っていた姿が浮かぶという。
女の子には、ピアノも楽譜も家もなかった。
M:(女の子がアカペラでワンフレーズ それに続く演奏)
N:自由とか、幸福とか
言葉にするのは難しい時代だけれど
たとえば、好きな音楽を静かに聴く
そんな時間が持てることの幸せを、いま僕は考えたい。
サントリーホール
NO.3442
広告主 | サントリー |
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業種 | 娯楽(公営ギャンブル・遊園地)・スポーツおよびスポーツ用品・各種の民間イベントやリサイタルやショー・音楽関係 |
媒体 | ラジオCM |
コピーライター | 中山佐知子 広瀬正明 |
掲載年度 | 1997年 |
掲載ページ | 349 |