万年筆は、時間がかかる。
でも、その時間は、
相手を思う時間になる。 メールのように、電車や街角で書くことはできない。
ケータイのように、すぐに声を聞くことはできない。
万年筆は、たしかに、
少し不便で、少し時間がかかる道具です。
椅子に腰かけて、背筋をすっと伸ばす。
その人の顔や声を思い浮かべながら、
書き出しの、最初の言葉を探す。
頭の中で下書きをしながら、
どんな顔で読んでくれるだろうと想像をしながら、
ペン先を動かす。ゆっくり、ゆっくり。
万年筆と一緒に、あなたが手にするのは、
少し立ち止まる時間。
それは同時に、大切な誰かを思う時間。
慌ただしく流れていく日々に、
そんな時間をつくるのも悪くない、と思いませんか。
万年筆は、時間がかかる。そこが、いい。
書く、を支える。
佐藤舞葉さとう まいは
2013年入会