漱石さーん、
どうして顔の右側を
見せてくれないの? 夏目漱石の肖像は、どれも顔の右側が見えないのはなぜでしょう。
漱石は、3歳のとき天然痘にかかったと言われています。天然痘は
治療しても痘痕(あばた)が残り、その印象の強烈さから
「見目(みめ)定め」とも呼ばれていた病気です。
そして漱石もやはり、顔にあばたが残っていました。

教師時代に「夏目の鬼がわら」と
あばた顔を生徒たちに囃されたり、
お見合い写真を修正するよう依頼したりと、
そのあばたはかなり目立つものだったようで、
漱石は後々までその跡を気にしています。

漱石の肖像がどれも顔の右側が見えない理由、
それは天然痘によるあばたのせいだったのです。

天然痘は、1958年から世界保健機関(WHO)が
ワクチンによる根絶計画を推進。
1977年のソマリアの青年を最後に
天然痘患者の報告はなく、WHOは
1980年5月8日に根絶宣言を出しています。
ワクチン接種の徹底により、
人類が地球上から撲滅した天然痘。
そのワクチンが広く普及していれば、文豪漱石の「右顔」が見られたかもしれません。

もっと知ってください、ワクチンのこと。

NO.84573

広告主 ファイザー
業種 化粧品・薬品・サイエンス・日用雑貨
媒体 新聞
コピーライター 渡辺裕之
掲載年度 2012年
掲載ページ 211