宅急便ひとつに、希望をひとつ入れて。 2011年3月11日。
地域に密着した仕事をしてきた私たちにとって、街が消えてしまうほどの壊滅的な被害は、言葉にできない衝撃であり悲しみでした。現地で働く社員にとっては、それは報道で語られるような「数」や「記事」の話ではなく、その街でともに暮らしてきた一人ひとりの顔であり、声であり、通いつめた道であり、こまやかな日常のすべてでした。
被災し、自らも多くのものを失った社員たちは今、その街や人々をよく知っている自分たちだからこそできることを探し、行動しています。
そして、全国にいる17万人のヤマトグループ全社員に行動で伝えてくれています。
私たちが今やるべきことは何か、と。
これまで宅急便を育ててくれた被災地の水産業・農業も壊滅的な被害を受けました。
これは日本中の人々の食生活にとっても大きな問題です。
私たちは、救援物資の仕分け作業や各拠点への物資輸送の全面的サポートなど今すぐに必要な支援は継続しながら、被災地の生活基盤の復興と、水産業・農業の再生支援に向けて動き出します。
産業が復興するまでの道のりは長く険しく莫大な費用が必要です。
まとまったお金を一度に寄付することは難しくても、毎月自分たちの通常の仕事の中から最大限に捻出する方法はないかと考えました。
私たちが取扱う宅急便は年間約13億個。
宅急便1個につき10円を寄付できれば年間約130億円捻出することができます。
もちろん宅急便の運賃表は変えません。しかしそのお金はまぎれもなく、全国のみなさんの力で生まれるお金です。
毎月どれくらいの金額になったか、被災地の復興にどのように活かされて形になるのか、ホームページなどでご報告していきます。どんな困難でも恩返しの気持ちを込めてやり通す決意です。
震災から1ヵ月。
世の中の空気も、人の関心も、気持ちも、徐々に変化しています。
一方で、震災がもたらした現実の重さと悲しみに身動きできずにいる人がいます。
絶対にそのことを忘れないこと。
被災された人でなければ分からない痛みがあることを常に想像し、復興に向けた行動の原点とすること。
私たちは、はじめます。そして、いつもと変わらない自分たちの仕事を続けます。
ヤマトグループ
NO.84644
広告主 | ヤマトホールディングス |
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業種 | その他(どこに属するか不明なもの) |
媒体 | 新聞 |
コピーライター | 石附久実 |
掲載年度 | 2012年 |
掲載ページ | 232 |
石附久実いしづき くみ
1999年入会