へーベルハウス
2.5世帯ものがたり~第3話~
姉の沈黙と大胆な提案。 「姉に思いは伝わるだろうか?」
台所では母が晩御飯の準備をし、姉と妻が皿を並べている。「おばあちゃんの
ごはん、たのしみ!!」「わ~い!」長男の翔太と長女の春香。子どもたちは
素直に育ってくれている。「おばあちゃんのおりょうりは、”チーン”ってしないね」
「ね~」子どもたちは素直に育ってくれている。実家での晩餐は、四歳の娘の二股
自慢。六十五歳の母のスベらない話、三十八歳の姉の十二回目のモテ期(本人談)
の報告、六歳の息子の謎のナゾナゾなどで、おおいに盛り上がった。食事も終盤
にさしかかったころ、お酒の力を勇気に変えて、僕は本題を切り出した。「姉さん、
大事な話があるんだ。この家もガタが来てるじゃない?地震も怖いし。それに親父
たちもじきに七十じゃん。ここらでこの家建て替えて、みんなで住まないか?
親父たちと姉さんと僕の家族での同居。『2.5世帯』って言うらしいよ。『ヘーベル
ハウスの2.5世帯住宅』は、互いの居住空間がしっかり分離されてるし。姉さんの
部屋なんて超居心地よくなるんだぜ。その上、共有スペースもみんなに快適
だから、ひとりの時間も、家族でシェアする時間も、好きなように楽しめるんだ。
親のサポートも協力し合えるし。姉さん、2.5世帯住宅で暮らさないか?」思いの丈を
ひと息に打ち明けた。・・・。黙りこむ姉。重い空気を破ったのは
子どもたちだった。「ぼく、いっしょにすみたい!」「ゆきこおばちゃん!」
「由紀子おネエさんからも、提案があります」おばちゃんの”おば”と重なるぐらい
のタイミングで姉が口を開いた。「『叔母さん』と書いて『おネエさん』と読む!
この家に金輪際『オバさん』は存在しません!」「・・ゆきこおば、おネエさん」
娘が小声で言い直す。「・・そう来たか」肯定とも否定ともいえない姉の提案。
想定外の事態に、トイレ休憩を提案する僕だった。
(明日予定の広告紙面に)つづく
2.5世帯住宅で、暮らしませんか?
NO.85412
広告主 | 旭化成ホームズ |
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受賞 | 最高新人賞 |
業種 | 精密機器・産業資材・住宅・不動産 |
媒体 | 新聞 |
コピーライター | 吉岡丈晴 |
掲載年度 | 2013年 |
掲載ページ | 57 |