私が建てた二世帯は、
息子が帰る場所でもあった。 息子が家族をもち家を出て、また妻との二人ぐらしに戻った。
30年前、父の家を二世帯住宅に建て替え、
私の4人家族と、父母との二世帯ぐらしが始まった。
介護はプロに頼みつつ、心配なときすぐに部屋をのぞけるから、
二世帯は離れてくらすより安心だった。
親父とお袋の死に直面し、泣き続ける息子の姿は心が痛んだ。
子どもたちに、私たち夫婦の老後の面倒を見てもらうつもりはなかった。
この家を引き払い、施設のお世話になるつもりだった。
息子にそれを話したら、「俺の帰る場所がなくなるだろ」と叱られた。
そのことを妻に伝えたら、いろいろ苦労をかけた彼女は言った。
ふふ、二世帯も悪くなかったみたいね。涙がこぼれた。
二世帯ぐらし30年、今、笑っている。
考えよう。答はある。
ヘーベルハウス
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広告主 | 旭化成ホームズ |
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業種 | 精密機器・産業資材・住宅・不動産 |
媒体 | 新聞 |
コピーライター | 吉岡丈晴 |
掲載年度 | 2016年 |
掲載ページ | 240 |
吉岡丈晴よしおか たけはる
2013年入会