ハリアー／H.H.　第三章　120秒...

ハリアー／H.H.　第三章　120秒 Ｓ：
THE STORY OF H.H.　　　　　
その頃の私は　　　　　
自分がなにを求めているのか　　　　　
わからずに、ただ堕落していた。　　　　　
彼はそんな私を連れ出して、　　　　　
旅に出た。　　　　　
旅の途中、彼は私に尋ねた。

Ｈ.Ｈ.：
初の質問だ。落下するのが恐くて　　　　　
飛べない鳥を、鳥と呼べるか?
　　　
Ｓ：
いや、呼べない。 　　　　　
私は答えた。

Ｈ.Ｈ.：
次の質問だ。　　　　　
孤独を恐れて群れをなす狼は?
　　　
Ｓ：
もはや狼ではない。

Ｈ.Ｈ.：
ならば、友よ。
絶望を恐れて、希望を抱かぬ
〈人間〉をなんと呼べばいいのだ?

Ｓ：
そして彼は、叫んだ。
さあ、旅を続けよう!
この世界の涯まで。

Ｓ：
H.H.
彼の名は H.H.
私の中の「私」を目覚めさせる。