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ウイスキーは寡黙だけれ ど、火の出るような修 業をしているのです。自己を 相手に戦っているのです。四 季とりどりに。 その鼓動は分厚いホワイトオ ークを通して、酒庫を圧する。 春はざわめき、 夏は、たかぶる。 秋は、自足し、 冬は耐える。 かすかな樽のニジミは、 はげしく努めるものがほとば しらせる汗です。 ウイスキー は生きているのです。 庫人たちがウイスキーを励ま す言葉はただ一つ。ひたすら に(ゆっくり、 急げ!)と
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遠くへ行きたくない琥珀の旅
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仲畑貴志なかはた たかし
1970年入会