TCC会報出張所

こども広告教室オンライン@番町小学校

2022年3月15日に千代田区立番町小学校の6年生を対象にした「こども広告教室」を開催しました。毎年、番町小学校にプロジェクトメンバーとサポーターが出向いて、コピーの面白さを伝えてきた「こども広告教室」ですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で長く延期となり、開催そのものが危ぶまれる事態に。そこで、今回はZoomを利用して、教室とプロジェクトメンバーをつなぐオンライン講義+ワークショップとすることで、無事開催の運びとなりました。

 

キャッチフレーズの意味を理解しよう!

授業の流れは例年通りで、まずは全体講義で、広告やコピー、コピーライターについての基礎的な知識を伝えます。その後は各自コピーを作成するワークショップと、作成したコピーを発表するプレゼンテーションの時間になります。

全体講義の前半は、西尾ヒロユキさんが担当。広告とは何か、広告の媒体にはどのようなものがあるのかなどの紹介に加えて、広告には責任があるということ、「ウソを言ってはいけない」「人を傷つけてはいけない」「社会のモラルに反してはいけない」といったルールがあることを伝えました。また、この教室を通じて広告から学べることは、「みんなに伝える技術」であると、こどもたちに話していました。

後半の講師は坂本和加さん。実際の広告に使われているキャッチコピーなどを紹介しながら、コピーとはどういうものか、どうやって作るのかを、分かりやすく説明。自身のキャッチフレーズも例に挙げて、コピーの考え方のヒントを伝えていました。また、コピーを作る上で大切なことは、伝える相手への思いやり、想像力であるといったお話もされていました。

 

 

みんなに伝えたい自分とは?

一通りの知識を得たところで、いよいよ実作の時間。今回、こどもたちが取り組んだテーマは、『「じぶん」にキャッチコピーをつけよう!』です。
対面の授業では、数人ずつの班にサポーターが1人つき、コピー制作のアドバイスを行っていましたが、オンライン授業ではじっと見守りました。

コピーが完成したところで、一人ずつカメラの前で発表してもらいました。
学んだことを生かして、それぞれが真剣に考えたキャッチフレーズを披露してくれました。

 

最後に、サポーターの皆さんからのコメント。

・名前を覚えてほしいから、自分の名前にかけてキャッチフレーズを考えた人と、自分がどういう人かわかって欲しいから、得意なこと、好きなことをテーマに書いた人がいましたね。最初に坂本先生がレクチャーで話したことを、よく聞いてくださっていたので、とてもよかったなと思います。どのキャッチフレーズも素敵でした。

・自分のキャッチフレーズを考えるときには、自分はほかの人とどこが違のかとか、同じにならないようにしようと考えることが大事です。もう一つ言うと、他の人の自分と違うところも認めたり、好きになったりすることも、すごく大事なことです。自分と違うものを嫌いな人も多いけれど、違うところがいいんだということを身につけて、発信できるようになるといいと思います。

・コピーを書くというのは、自分のことを考えることでもあり、自分と世の中の関わりを考えることでもあり、自分のことを確かめていくことなのだと思います。コピーを書くうちに、自分の好きなものはなんだろうとか、興味のあることは何だろうとか、ちょっとずつわかっていくんですよね。いま、戦争やコロナなどで、先が見えない世の中ですけれど、自分のことが少しでもわかっていくと、それが道標になっていくのではないかと思います。コピーを書きながら、自分のことを考えながら、確かな物を自分の中に一つずつ積み上げていけたらいいなと思いました。

・普通につかったらネガティブな意味の言葉を、ポジティブないい意味として使えている人がいて、上手だなと思いました。たとえば、「警戒心が強い…?」は「…?」をつけたのがすごくよくて、「警戒心が強そうだけど、実はそんなことないよ、踏み込んできてね」というニュアンスが生まれているのかなと思います。ほかにも、「元気すぎってよく言われます」は、「すぎ」とつけたことで、個性がでているのではないかと思います。そんな風に、ちょっとしたことで言葉の意味がすごく変わって人に伝わると思うので、今日の授業の中で、そういうことを実感できたとしたら、すごくよい時間になったのではないかと思います。

・今日は自分のいいところを書いてきてくださいと宿題でお願いしましたが、自分のいいところというのは、つくるのではなくて、見つけるものです。先ほど、私は広告の責任はウソをついてはいけませんという話をしましたが、いいところとか、伝えたいことというのは、自分で勝手に作るとウソになってしまいます。コピーライターは、いつも、本当に伝えたいことはどこにあるのかを探して見つけ出すという作業を繰り返し行っています。そうやって見つけたことが、みんなの心に届きます。これからの学生生活でも、いろいろなことを書いたり作ったりして、人に伝える機会があると思います。そのときは頭の中でたくさん考えて、伝えることを見つけるという訓練を常にやっていくと、伝え方も上手くなると思います。

 

こどもたちにも感想を聞きました!

・考えることが大変だなと思ったけど、思い浮かんでよかったです。
・自分のキャッチフレーズについていろいろ工夫を加えてみて、やっぱりスタンダードなほうがいいかなとか、考えるのが楽しかったです。
・あらためて自分のよさを探すのって大変だなって思いました。
・自分のことだけじゃなくて、他の人の良さも知れたなと思いました。
・(自分のことを考えるのに)友だちとの会話も大事だなと思いました。
・自分のいいことを他人に伝えるのは恥ずかしかった。

オンラインでの開催ははじめての試みでしたが、先生方のご尽力のおかげで、大きなトラブルもなく無事に終了することができました。

 

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プロジェクトメンバー:
新井巌、大友美有紀、坂本和加、西尾ヒロユキ

サポートメンバー:
木村亜希、鈴木良平、竹迫(シャハニ)千晶、マエキタミヤコ

※50音順
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