《書籍紹介》私、誰の人生もうらやましくないわ。~児島令子コピー集め~/ 児島令子 著
『私、誰の人生もうらやましくないわ。~児島令子コピー集め~』
児島令子 著
出版社:パイ インターナショナル
定価:1,540円(本体1,400円+税)
発行日:2022年12月23日
クッキーのつめあわせのように、
ことばのつめあわせ本という気持ちでつくりました。
コピーを広告というフレームからはずして、
ただことばとして、ことばだけを楽しく並べてみる。
詩でもなく、小説でもなく、
随筆でも手紙でもつぶやきでもなく、
コピーとして生まれたことばの行き先は?なんて考えながら。
新人賞をとってからいままで、ずっと書きつづけ、
ずっと飽きることなく、ずっとコピーが好きでいられた理由。
それは毎日楽しくコピーを書くために、自分で自分を守ってきたから。
そんな、ことばを仕事にすることについての、
私なりのやり方、向き合い方、思いもコラムに綴ってみました。
(2023年の児島令子)
1987年度TCC新人賞受賞。
私は、その朗報を仲畑貴志さんからの電話で知った。
やった~!!念願の受賞だ。嬉しくて嬉しくて舞い上がり、
ワインを飲み過ぎて倒れこみ、気がつけばとある書店にいた。
児島令子という私と同姓同名のコピーライターの本を手にしていた。
めくってみると、いろんなコピーが目に入る。
コピーぽくないものがある。冗談みたいなコピーもある。
こんな個人的なこと書いていいの?ってコピーもある。
でもなんか妙にシンパシーを感じた。
ふと横をみると、2023年のカレンダーが売られてる。
私は1987年からタイムスリップしてきたことに気づいた。
つまりこの同姓同名の人は未来の私ってこと?
36年後、こんなコピー本を出してるってこと?
ここに載ってるコピー、全部私が書いたの?信じられない……
というか、未来の自分が書くコピーなんか、いま見たくないよ!
私はあわてて本を閉じた。でも誘惑に負けてまたそっと開く。
コピーは見ずに、合間にあるコラムを拾い読み。
未来の私が語ってることは、
いまの私が思ってることと、そう違いはなかった。
翌朝目覚めると、1987年に戻っていた。
そして今日、TCC新人歓迎会なるものに参加してる。
同期の谷山雅計という博報堂の男の子となぜかタンゴを踊らされる。
岡康道という電通の背の高いシュッとした男の子もいる。
「私、将来コピー本を出すの」なんて誰にも言わなかったけど、
これからのコピーライター人生、がんばろうって思った。
(1987年の児島令子)
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