「張り倒してでもコピーライターにならせない」
時間を巻き戻して、きょうは就活のときの言葉を。
自分の場合、いきなり総合広告代理店には
入れないと思っていましたので、
就活では新卒の求人を情報誌に載せている
広告制作会社にしか応募していませんでした。
(というか当時、広告関係の会社は
電通、博報堂、サン・アド、ライトパブリシティの
4社しか知らなかった。)
そんな就活中に突然、大手代理店の営業局長さんに会えることになり、
コピーライター志望というのを伝えたうえで
いろいろ話をうかがってるときに言われたのが、
「オレがもし君の父親やったら、
張り倒してでもコピーライターにならせへんわ」
という言葉。
「ええか、代理店ちゅうのは営業が動かしてるんや。
それにコピーライターみたいな才能の必要な仕事なんて
なりたいから言うてなれるもんちゃうし、
なれたとしても将来どうなるかわからんで。
営業やったらうちに入れるチャンスあるから
よく考えてまた連絡してきなさい」
みたいな話をしてもらいました。
言われた当時も、ああ、局長さんはほんとに
自分の将来のことを思って言ってくれたんだなと感謝してましたが、
今思い出しても、初対面の就活生なのに
本気でアドバイスしてもらったんだなと、ありがたいです。
とは言うものの、
自分は広告業界ならなんでもよかったわけでも
広告代理店の名刺がどうしてもほしかったわけでもなく
コピーライターになりたかったので、
その後、連絡させていただくことはありませんでした。
それからなんやかんやで、
現在もコピーライターを続けさせていただいてますが、
自分がコピーライターとしていまこの場所にいる確率って
一体何分の1くらいのラッキーなことなのかなぁと思います。
もしあのとき、営業局長さんに
「わかりました!営業でがんばります!」と言ってたら、
今ごろ、どの世界線をさまよっていたのか。
いや、でも結局どの選択をしていたとしても、
2020年10月8日は、フリーのコピーライターとして
TCCリレーコラムを書いてたと思います。
運命論っぽい考えなのは、最近映画の「TENET テネット」を
見たせいではありません。
「今でも覚えてる、あの一言(仕事編)」その4
おわり
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