リレーコラムについて

うまい棒。

鎌田健作

サッカーの練習試合を終えて、6歳息子とふたりで歩いて帰っていたら
試合を終えたばかりの息子がこんなことを聞いてきた。

 

「試合中、みんな “うまい棒!”って叫んでるんだけど、あれなに?」

 

一瞬、なんのことか分からなかった。

 

うまい棒、

ウマイボウ、

マイボウ、

マイボー……あっ

 

道端で思わず吹いた。

 

「マイボールな」

 

年中からサッカーを始めた6歳息子。

今では頭の中の半分くらいはサッカーじゃないだろうか。

最近は朝6時に起きて、小学校に行く前にふたりで公園で朝練も始めた。

こちらが寝坊して逆に息子に起こされることもある。

 

この時期になると、ふたりして汗だくで帰宅してシャワーを浴びる。

このあいだは風呂場でこんなようなことを言っていた。

 

うまくなったらもっとサッカーが楽しくなるからもっと練習したい

 

練習の意味を自分自身で見いだしているようで、すごいなと思う。

まぁ、そんなサッカー少年は日本中、世界中、ゴロゴロいるだろう。

 

朝6時台の近所の公園にも、そんな気持ちの熱いサッカー少年たちはいる。

 

早い人は6時前。小学生がそんな早朝に活動していたなんて知らなかった。

上は小6、下は小1、日によって変わるが、多いときは3対3ができる人数。

各自練習を終えたら、残り15分くらいでミニゲームをする。息子もそこに混じって鍛えられている。

 

先日彼らに”うまい棒”の話をしたら、ミニゲームの最中、みんな面白がって「うまい棒!うまい棒!」叫んでいた。

もはや本家の「マイボー!」は「うまい棒!」にしか聞こえない。

 

明日もきっと、早朝の公園に「うまい棒!うまい棒!」の声が響き渡る。

 

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