リレーコラムについて

おあとがよろしいようで。

鶴香奈子

いえね、広告の仕事をしておりますとね。

こういう職種をよく耳にするわけですよ。

 

アートディレクター。

映像ディレクター。

クリエーティブディレクター。

 

そんな中で。

 

コピーライター。

 

コピーは「ライター」なんですよね。

おや、お客さん、何を当たり前なと

そんな露骨に顔に出さねえでくだせえ。

 

特にクリエーティブディレクターと

コピーライターを兼任している案件だと、

その役割の顔を使い分けるのに

なかなか難儀する場面もございやして。

 

ただ、コピーライターと言っても、

最終的なそのコピーを「書いたかどうか」は

実はそんなに重要じゃないと思っています。

 

知る。調べる。使う。

使っている人の声を聞く。

使っていない人が別の何を使っているのかの

評判を集める。

その商品やサービスのある場に出向く。

どんな雰囲気か、どんな感触か、どんな匂いかを体感する。

そうやって、五感を使って得たものから、

もはやここには書ききれないくらい多くのことを経て。

自分で書いたり、

チームメンバーや関係者がポツリと言った一言を拾い上げたり。

 

そういう「目利き」と「決断力」。

そして「このコピーでいきましょう」と

言ったときの「説得力」と「責任力」。

 

それらさまざまなものを

ぎゅーーーーーーーーーっと一つにまとめて

「コピーライター」と名乗っているんですね。

なのでこれからも私は

コピーライターであり続けたいと思います。

おあとがよろしいようで。

 

・・・時に、お客さん。

「おあとがよろしいようで。」

の、由来ってご存じです?

あれは、寄席において

各噺家の演芸は個別のものではなく、ひとつの団体芸として

「みなさんお待ちかねの次の出演者の準備が(=おあとが)

できたようです(=よろしいようで)

(そのつなぎで出ていた程度の私は、これにて退座しますね)」

と、次の演者にバトンをつなぐ意味で

使う言葉なのだそうです。

 

というわけで。

次の噺家・・・もとい、コピーライターは

中村 直史さんにお願いしました。

チョクシさんは五島出身、私は佐世保出身。

現在は我らの同郷・長崎にてご活躍されています。

今の時代にぴったりの働き方、

コピーライターとしての生き方を

こちらにお集まりのお客さま方には

たっぷりとご堪能いただけることでしょう。

ここからは私も末席にて愉しませていただきますね。

 

では今度こそ本当に、

おあとがよろしいようで。

鶴 香奈子でございました。

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