でかい男
これ、おそらくは
人生でいちばんショックだったかもしれません。
話は中学2年生にまで遡ります。
当時、神戸市にある公立中学校に通っていた僕。
思春期にも入ってきて、女子を意識し始めた年頃でした。
そんなある放課後の教室。
女子たち数名が、気になる男子の話をしていました。
僕は微妙に遠い距離の机に座っていて、
そしらぬ顔をしつつ、地獄耳を立てながら
その女子トークを聞いておりました。
〇〇くんはかっこいいとか、やさしいとか、
顔がタイプとか、ダサいとか、ないとか、
結構、赤裸々です。
で。
女子の1人が言いました。
「石山くんは?」
すると、僕に背を向けている女子が
間髪入れずに答えました。
「頭でかいやん」
・・・・え?
こいつは・・なにを・・言ってるんだ?
ていうか、は?
言われた瞬間のことは、
いまだに鮮明に記憶しています。
予想だにしてない角度からの、
エグい豪速球を放り込まれ、
混乱した状態のまま家に帰り、
すぐに取り出したのは、クラスの集合写真。
でっか!
たまたま僕の隣に写っていた男の子の頭が
ハンドボール大くらいのサイズだったせいもあり
比較すると、なんともまあ、でかいこと。
でかでかした頭の男が、
目を細めて写っておりました。
でも、どうにもならないんです。
このヘッドサイズ感で
この世に生まれてしまったわけなので。
頭蓋骨、削るわけにもいかないでしょう。
このように、中学2年生ではじめて
自身の頭のサイズを知ったわけです。
ちなみに、2025年の今は坊主頭です。
お察しください。
学生時代にも罰ゲームで坊主にしたことが
2度ほどあったんですが、
やってみると意外とこれが楽チンで。
都心の美容院に行き、おしゃれな美容師さんと
おしゃれ風のトークを展開する必要もなく、
自宅で10分、セルフバリカンで完了です。
ドレッドにしたこともありましたし、
金髪もありました。他にもいろいろ。
でかいなりにやりたい髪型はやりました。
まだ髪の毛が
ツンツンしたショートヘアだったころ、
あるCMプランナーの先輩に言われました。
「そんなツンツンヘアにしたら、
頭が余計に大きく見えるだろ」
そこまでの大きなダメージは負わず、
「そ、そっすね」
と、軽快に返せるくらいにはなりました。
その後、毎度おしゃれな美容院に行くのも、
毎朝ヘアセットするのも億劫になり、
バッサリ刈って、はや10数年。
坊主にしたところで、
でかいもんはでかいんですけどね。
男子にはおすすめのヘアですよ。
モテヘアではないですけどね。
僕は一生、米津玄師みたいな
髪型には縁がなさそうです。