コピーライターとスーツ
「コピーライターはスーツを着るか」
大阪を歩いているおばちゃんをつかまえてこの問いを投げてみると、
「知らんわぁ」
という答えが返ってくるかもしれない。
そう。
世の多くの人にとってコピーライターがどんな服装をしているかは、
「上司の足のサイズ」以下の関心事であって、本当に大した問題ではない。
ただ、私が大学を卒業して広告会社に入り、多くの職種の先輩を見て最初に気になったのが、
「コピーライターとデザイナーは、なぜかスーツを着ていない」
ということであった。
(これは私が勤務する広告会社H堂だけのルールであって、他社は違うかもしれない。と思ったりもしたが、他社の知人や友人ができて、見たり聞いたりしても同じであった)
IT企業のラフなスタイルが市民権を得て、在宅勤務・リモートワークが普及した2022年、スーツを着ずに働くのも、かなり一般的になってきた。
しかし、2007年、社会人になったばかりの私にとっては「スーツを着ないサラリーマンがいる」というのが一大事だった。
いや、ちがうんだ。
私はスーツが嫌いなのではないんだ。
むしろカッコいいし着こなしたいと思っている。
そうじゃなくて、
「『スーツを着なくてもいい』ということになっている人」
がものすごく気になってしまっていた。
たとえば刑事ドラマで、
制服の警官だらけのなかに私服の刑事がいる感じ。
あるいは、その他大勢のショッカーと異なり、
個性的な外見を持った仮面ライダーの怪人。
都心のオフィスビルのビジネスパーソンに混じって私服で働くことが許されているコピーライターに、
自分は怪人を感じた。
あたいも、怪人になりたい。
配属の直前までマーケティング職やPR職にも惹かれていて、
コピーライターを選ぶ決めてだったのが、実はそんな感覚的なことだった気がする。
(ちなみに、もちろんスーツを着ているコピーライターの人もいますし、私自身も営業職時代は毎日スーツを着ていました)
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はじめましての方ははじめまして、
そうでない方はご無沙汰しております。
博報堂の富田です。
同期でライバルコピーライターのアボット=マーク=シュンからバトンを受けて、リレーコラムを書かせていただきます。
(実はリレーコラム3回目です。)
このTCCのサイトには、コピーライターに興味を持って検索してくる人が多いのかなと思って、今回は「コピーライターと○○」というテーマで書いていく方針で考えています。
アボットくんからもらったお題についてもどこかでお答えする予定です。
それではどうぞよろしくお願いします。
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