ボーボー車

ある朝、１歳の息子が
目覚めた瞬間

「ボーボー車！」

と叫びました。

息子の言うボーボー車とは、消防車。
外でサイレンが鳴っていたわけでもなく、
天井をボーッと見ながら。

寝ぼけているのかな？と思ったけど
次の週も、また次の週も

「ボーボー車！」

と叫んだのです。

不思議に思い、
妻と状況を整理してみました。

・そもそも消防車が好きである。
・叫ぶのはいつも月曜日。
・一瞬、顔が真顔になる。
・週末は、楽しいお出かけをした。

これらから推測したのは、
ブルーな月曜の朝、大人が音楽で気分を高めて出勤するように、
彼も「消防車」と言う大好きな単語を叫ぶことで
自らを奮い立たせているのではないか、と言う結論でした。

その証拠に１歳７ヶ月になった今では
叫ぶだけでは飽き足らずテレビのリモコンの渡してきて

「消防車！」「見る！」「見る！」「見る！」「見る！」

と真剣な眼差して、お気に入りの消防車出動シーンを
せがんで来るようになりました。

おかげでうちは月曜の朝、
サイレンが鳴りっぱなしです。

ちなみに、
なんだかよく燃えちゃいそうな「ボーボー車」が
正しい「消防車」へと変わった時は、嬉しくもショックでした。

「こうやって、すぐに大人になっちゃうんだな」

なんて妻に話すと、冷静な顔で

「あと２０年近くあるけどね」

ですって。
現在４５歳。まだまだ頑張ります。